年末雑感〜新宿サザンライツ2001-2002〜


冬。ビル風の心地よい季節になりました。
この時期は、何となく人恋しいのに、何となく一人で風に吹かれていたいような、 そんな複雑な季節ですね。
「切ない」とはちょっと違う感じ。昔は「そぞろなり」とかいったんでしょうかね。…違うかも。

そんな季節、夜に私が訪れるのは、相も変わらず新宿です。
新宿は夜の街ですが、今回紹介するのはいわゆる夜の街ではありません。
新宿の繁華街とは少し離れて、比較的最近に作られた南口エリアです。

新宿駅南口を出ると、代々木方面へ伸びる空中のガーデン、「新宿サザンテラス」があります。
ここからJRの線路を越えた高島屋タイムズスクエアにかけて、年末はライトアップが行われています。

サザンテラスの入り口から道沿いに並ぶ木々を始めとして、通路沿いの木々や植え込みに無数に埋め込まれた電球の群。
色とりどりの豆電球・光ファイバーで彩られた空間が人々を包み込みます。

明滅する光の渦、夜空に鋭く映えるビルの赤い電灯、眼下を流れる列車の光、車の光。

そして高く澄んだ都心の夜空。決して漆黒に染まることのない新宿の空は、普段の雑踏では気づかないほど広く、ビルの上に開けています。

七色の間接照明が照らす遊歩道を、タイムズスクエアへと渡ると、そこにはまた違った光の空間が広がります。
サーカスをモチーフに電球と光ファイバーで組まれた光のページェントには、もう息をのむしかありません。

しばらく散歩したあとは、サザンテラスにあるスターバックスコーヒーでイルミネーションを眺めながら一休み。
お金があるなら、小田急の「新宿サザンタワー」(19階など)のレストランで、静かに流れていく街の灯を眺めながら素敵な時間を過ごすのもいいですね。ちょっと気障かもしれないけど。

指先を冷やしていく都会の風、自分が誰でもなくなる時間、少し冷めたコーヒー、…安らぎの場所。