★次の問1〜問5のうち、任意の4問を選んで解答せよ。
問1 表1にCH4、NH3、H2O、HFの性質を示す。これらについて以下の問いに答えよ。
(1)CH4が最も低い融点、沸点をもつのはなぜか。
(2)H2O、NH3の分子の形を図示し、なぜそのような形をとるのか説明せよ。
(3)最も大きな結合エネルギーをもつのはHFであるが、融点、沸点はH2Oで最も高い。これらの理由を述べよ。
表1 CH4、NH3、H2O、HFの物理的性質
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融点(℃)
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沸点(℃)
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双極子モーメント (デバイ単位)
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X−H結合エネルギー (kJmol−1)
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CH4
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−182.7
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−161.6
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0
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414
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NH3
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−77.7
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−33.4
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1.47
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391
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H2O
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0.0
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100
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1.85
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463
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HF
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−83.0
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19.5
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1.91
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564
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問2 Cl原子とN原子の共有結合半径(単結合の場合)はそれぞれ99pm、74pmである。Cl2の原子間距離(199pm)はClの共有結合半径の約2倍になっているが、N2の原子間距離(110pm)は2倍より小さい。また、多くの化学反応でCl2はN2より高い活性を持つ。これらの理由を、Cl2とN2の原子間結合の違いから説明せよ。
問3 NaClとCsClの結晶構造(室温)は、それぞれ、Na+がCl−に6配位した立方格子(岩塩型構造)、Cs+がCl−に8配位した体心立方格子(CsCl構造)となる。なぜこれらの結晶構造となるのか、説明せよ。ただし、イオン半径は、Na:1000pm、Cs:170pm、O:140pm、Cl:160pmとして考えよ。
問4 次の事項を簡潔に説明せよ。
(1)遷移金属錯体における配位子場分裂
(2)有効核電荷と電気陰性度の関係
問5 表2に示した25℃、酸性溶液中における標準電位を用いて、次の問いに答えよ。
(1)過マンガン酸イオンMnO4−は酸化還元滴定などによく用いられる分析試薬である。酸性溶液中でMnO4−が酸化して、Mn2+になりうるのはFe2+、Cl−、Ce3+のうちどのイオンか、理由とともに示せ。
(2)2H2O2(aq)→2H2O(l)+O2(g)の反応は自発的におこりえるかどうか判断し、理由とともに述べよ。
表2 標準電位(25℃、酸性溶液中)
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電極反応
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E゜/V
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Ce4+(aq)+e−→Ce3+(aq)
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+1.76
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H2O2(aq)+2H+(aq)+2e−→2H2O(l)
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+1.76
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O2(g)+2H+(aq)+2e−→H2O2(aq)
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+0.70
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MnO4−(aq)+8H+(aq)+5e−→Mn2+(aq)+4H2O
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+1.51
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Cl2(g)+2e−→2Cl−(aq)
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+1.36
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Fe3+(aq)+e−→Fe2+(aq)
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+0.77
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2H+(aq)+2e−→H2(g)
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0
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Fe(aq)+2e−→Fe(s)
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−0.44
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