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東京→日光200km耐久サイクリング(7/17)私事で恐縮だが、私の所属するサークルUTMCは夏に日光へ合宿に行くことになったらしい。日程的に参加できない私は、個人的に日光まで行って来ることにした。自転車で。
さて、どうやって行くか。普通東京→日光といえば東北自動車道+日光宇都宮道路か、日光街道まっすぐだが、自転車では話が違う。日光街道は交通量が多すぎる上に面白くない。ダメダメである。
地図でいうとこんな感じである。
ならば深夜のうちに出て、暑くなる前に最初の100kmを走ってしまえばいい。
今回の同行者はSigh!氏である。クロスバイクを買っていきなり凄いスピードで四国一周を達成した彼のことである。へたれな私を日光へ導いてくれるだろう。
本郷→松戸15km
さて、まずは江戸川サイクリングロードに出なければならない。松戸か三郷まで電車で輪行してそこから走ろう、と言ったがsigh氏が自力で走りたがるので、松戸までついて行くことにする。0:10本郷出発。言問通りを浅草へ。 松戸までは国道6号水戸街道。この道はイヤな道である。去年柏キャンパスに通っていた私は自転車で何度かこの道を走り、そのたびに死にそうな思いをした。なにしろ大型車の交通量が半端でないのだ。常磐方面の輸送トラックやトレーラーには四ツ木ジャンクションから首都高6号三郷線に入るものが多い。もちろん下道で土浦方面へ向かうトラックも多いのだが。まぁ、とにかく昼間は4車線の端から端まで大型車で満たされ、しかも流れが速い。そんなところを自転車で走ると、とにかく煽られ警笛を鳴らされ、至近距離を抜かれ、幅寄せされ、しまいにはいやがらせの排気ブレーキを喰らい…ほんと寿命が縮むよ。 ま、今は夜の23:00。幸い大型車は中央車線だけで流れていたので、路肩を松戸へ飛ばす。金町の手前で車線制限されたところでは20tトラックに煽られたが、怖かったのはそれだけだった。
水と食料を買い、1:15にコンビニを出ていよいよ出発である。新葛飾橋を越えて河川敷へ。 江戸川サイクリングロード 松戸→関宿47km
1:22出発、川岸は涼しい風が吹き渡り、とても気分がいい。爽快に飛ばす。松戸市内を抜け、三郷を過ぎ、流山市に入ると路側の白線がなくなり周囲の街灯もなくなる。ここからはライトの光だけが頼りだ。本当に暗く誰もいない、大のオトナでも1人だと心細くなる。今日はsigh氏と喋りながら走っているので大丈夫。
しかし集落に近いところだと、こんな時間にも河川敷で犬の散歩をしている人がいて、しばしば犬を轢きそうになるので怖い。たまに寄ってくる犬がいる。 2:47、金野井大橋を越えると旧関宿町に入る。関宿町は6/6に野田市と合併してしまったので自治体名としては残っていないようだ。伝統のある地名なのになぁ。
川霧が出てきて、ライトのビームが見えるようになってきた。虫が多く、ライトに突っ込んでくる。ゴーグルのないsigh氏は虫に苦しんでいる様子。 3:25, 関宿城到着。ここ関宿は利根川と江戸川の分岐点。古くからの水運拠点である。その関係で城があるのだろう。利根川と江戸川の水門を押さえれば強いもんな。 小さい城と、その周囲に公園があった。水運に使用されていた船を見てsigh氏 「あ、戦車が」 …早くも判断力がやばいようでございます。 境大橋で利根川を渡れば茨城県猿島郡境町。
利根川サイクリングロード 境町→古河市10km
河川敷の一般道でトレーラーが大きな事故を起こしたらしく、河川敷は市街地の端から端まで警察に封鎖されていた。そこで、街の中を抜けてからサイクリングロードへ戻ることにする。商店街を大型トラックがすごい勢いで行き交う異様な街。我々が横断歩道を渡っていても止まりゃしない。というか絶対見てない。寝ぼけ眼も恐怖にたたき起こされる。
2分くらいで小さな街を抜け利根川に戻った。4時を過ぎて明るくなり、風景に黄緑の色がつく。朝霧の中、水田や牛を見ながらあんパンを食べつつ走る。いい気分だ。肥料の臭いが気になるときもあるが、農業地帯だからしょうがない。
渡良瀬川その1 古河→桐生 47km
湿地帯を抜けて渡良瀬川へ戻る。6:09, 藤岡大橋着。渡良瀬川サイクリングロードは幅1mぐらいで細いが完全舗装で、田園の中をひたすら抜けていく。橋が江戸川や利根川より少ないせいで、GPSの画面でも5km四方に何も目印となる地点(ウェイポイント)が見えないということが多かった。
7:12, 福猿橋、足利市街に入る。それからもけっこう走って7:37, 足利市駅到着。朝まで100km以上走っておくというのは達成できた。比較的大きな駅なのだが、駅前はコンビニぐらいしかめぼしいものがない。駅構内の、冷房の効いたドムドムハンバーガーで朝食、涼む。
またサイクリングロードに戻り、次に目指すは桐生市。足利競馬場では、馬が軽く走っているところだった。住宅や工場の中走っていく。
9:40, サイクリングロード終点。利根川水系のサイクリングロードはこれより上流にはない。
登坂と温泉、そして挫折〜渡良瀬川その2 28km
暑い。照り返しが強すぎ。大間々でセブンイレブンを見つけたのでさっそく逃げ込む。かなりのチキンぶりだ。手を洗って血の温度を冷やす。蛇口をひねってびっくり。コンビニの水道なのに、ものすごく冷たい。さすが渡良瀬川上流。 手を洗い顔を洗ってごくごく飲む。冷たいのはいいが、渡良瀬川上流というのはかつての足尾銅山鉱毒事件で有名なところであり、田中正造とか教科書に載ってるわけで。うーん。でも枯渇した躰には堪えられない命の水だったのだ。
気を取り直して出発。ときに10:11。ここから、わたらせ渓谷鐵道沿いにさかのぼっていくと、途中の水沼という駅に温泉があるのだ。わたらせ渓谷鐵道は国鉄の足尾線を第三セクター化した鉄道で、その観光開発の一環として駅に温泉施設を作ったのだ。ちなみに、開発される以前の小学生時代、足尾線が廃止される前に私はこの辺に来たことがある。当時の足尾線は、鉱毒で緑変したヤバい渡良瀬川に沿ってキハ40が走る風情ありまくりな鉄道であった。それに比して今のわたらせ渓谷鐵道は観光に力を入れ、瀟洒な雰囲気になっていて、あまのじゃくな私はそれが気に入らず、ずっと足を遠ざけていたのだ。
さて、登坂がずっと続くのかと思っていると、登ったかと思えばすぐに下りまた登り返すような道が続く。こっちの体力は限られているというのに、余計なエネルギーを使わせる。
チケット500円を買い、奥の露天風呂へ。
湯は少々消毒の臭いがするが、おおむねよし。露天風呂の向こう側は芝生と駐車場をはさんで渡良瀬川の河原である。芝生と駐車場が景観を損ねるなぁ。ま、しょうがないけど。 カランをひねって水を出すと、例によって非常に冷たい水が出る。都会で水シャワーを浴びるつもり感覚だと心臓に悪そうだ。
リフレッシュしてロビーに戻る途中、狙ったようにビールの自販機が。くぁー。ここでビールを買って列車に乗って帰りたい。今日ここまで走ってきた元を十分取るだけの楽しい思いはしたしなぁ。
相変わらず大型車が多い。ワインディングをばんばん登っていく。この交通量は勘弁して欲しいな。沢を通るたびに気温がふっと下がり、緑と水の香りがするのは非常にいいのだが、気持ちいいと思うまもなくエンジン音に緊張し、抜かれたあとの排気ガスに気分を害される。
12:40, 神戸の集落到着。ここから駅までは標高にして40m近く降りなければならない。登り返すことを考えて暗澹としながら駅へ。神戸駅は昔の駅舎を残した風情のある駅舎であった。3番線に止まった車両が食堂になっているのだ。特急のグリーン車あたりの椅子を減らしてテーブルをつけたのだろう。しかし種車はなんだろう。全然分からない。
さて、13:18に出発。GPSの電源を入れて…とびっくり。5個の衛星を一瞬で把握し、一瞬で高精度な3D測位ができるようになってしまったのだ。
GPSは最低4つの衛星からの電波を使って自分の位置を把握するシステムなのだが、電源を入れてから衛星の位置を把握するまでに、一般的に時間がかかる。…というか、かかると思っていた。東京では3つ把握するのに45秒〜5分かかるのが一般的であり、余計な電波の強い秋葉原やビルの多い新宿では衛星を3つ把握することすらできない。 ここからは草木ダムへ3km登坂である。下りはあまりない。ダムで一休み。湖の水は少なかった。ダムを造る前の道のガードレールが見えていた。というか、いい加減疲れたな。
と、前を走るsigh氏の様子がおかしくなってくる。お互いけっこう辛そうに走っていたのだが、ハンドルさばきがあやしくなってきた。途中休み休み糖分を補給したりしながら走っていく。 わたらせ渓谷鐵道は神戸から草木トンネルに入って草木ダムをショートカットし、沢入(そうり)の駅へ出てくる。14:05, 沢入の集落通過。切り上げて輪行するならここからかな、と目星をつけつつさらに登坂。この次の駅は5km以上先の原向までない。 14:07, さらに600m登った地点でsigh氏が本気で辛そうな様子になった。脳に来たようだ。徹夜で走ってきたし、熱中症ぎみなのかな。体が動いても判断が鈍ったらもう無理だ。
沢入はわたらせ渓谷鐵道になってから新築されたらしい小さな駅舎の駅。 地元の人が花などを置いて飾っているらしい。
15:57, やっと来たディーゼルカー2連に乗り山を下る。桐生の手前の小駅、相老の小さな窓口で東武の特急りょうもう号の指定券を買い、17:02発のりょうもうで北千住へ。新しい車両だけあって、設備もトイレも乗り心地も素晴らしい。
というわけで、今回は東京から160km, 休憩時間含めて14:30走ったところでリタイアとなった。 今回のルートのまとめ。
次回は沢入からスタートして細尾峠か、日光へ出ていろは坂→戦場ヶ原→川俣温泉、とかかな。リベンジしないと。 追記:このサイクリングをやったあと、何人もの人が同様のコースに挑戦し、多数の人が日光まで完走したようです。日光を行きすぎて宇都宮まで行って余裕で帰ってきた人も。世の中には変態が多いですね。 |