新庄からは、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉へ向かう。17時の新庄の駅は、学生でごった返していた。私は乗車位置に並んで待っていたのだが、この土地の女子高生は構わず割り込んでくるらしい。
私のいる前に6人割り込んできた。
ここが新宿なら、真っ先に注意するところだが私はここでは異邦人なので黙っていた。
さて、発車時間の16:53になったが、電車は発車するどころか到着さえしない。10分ほど経って、「到着します」という放送が入った。
彼女たちがいうことには「いやー、ちゃんと並んでおいて良かったね〜」(ここら辺から訛りは大したことはない)
ここが新宿なら間違いなく張り倒すところだが、私はここでは異邦人なので、舌打ちして精一杯抵抗した。
だんだんホームが混み合ってきた。
彼女たちがいうことには「ねえ、何人かでブロックしてる間に、みんなの分の席をとるっていいと思わない?」
突き落とすぞこのアマ! 新大久保とかで。新大久保なら落ちても大丈夫。みんな命を粗末にして救ってくれるからねぇ。
…な〜んていってるうちに、陸羽東線がやっと到着した。 今度も雪まみれだが、これはレベルが違う。先頭部に20cmぐらいの雪の層ができていて、ワイパーの部分だけ雪がない。
彼女たちがいうことには「あ、電車が来たよ、下がらなきゃ! 」
そういって最初割り込んだ位置から後ろへぐいぐい押してくる。
…もう、コメントしませんが...
地吹雪はさらに激しくなるばかり。途中から、「吹雪のため25km/hに徐行運転します」
…しばらくして
「前に雪があって進めなくなりました。バックして、助走を付けて突破します」との放送。
ねえちょっと、マジっすか?
と思っていたら、運転士は(こういうとき、ワンマンだと全部一人でやらなきゃいけないから、しゃれにならないほど大変だ)実際にバックを始めた。
そして、速度を付けて「どばーん!!」と本当に音を立てて突破(写真)。その後も新型気動車キハ112のパワーにものをいわせて(この車両はハイパワーディーゼルエンジンを搭載した新型で加速性能・燃費ともにすぐれているのだ
! 私は嫌いだが…) 雪の吹き溜まりを突破していく。
視界はずっとほぼ 0。吹き上がる雪と地吹雪で数センチ先が真っ白の雪煙だ。運転士は座っていると前が全然見えないので、立ち上がって前面窓に張りつくようにして運転している。
そのまま時速25〜40kmで運転し、車内に乗っていた私を含め10人弱は、ずっと緊張しながら前を見守っていた。
老運転士のつぶやき「こりゃあ、俺のテクニックがなきゃ鳴子温泉まで着かねえぞ」
ちなみに、今
↑ここ(うえの「豪雪」)だっ。中山峠を下る部分などに、吹き溜まりができて線路を遮っている。
その後、中山平温泉あたりで降りる客がドアを開けようとしたが、ドアが凍り付いて開かない!!!
運転士がケリを入れてがちゃがちゃやると、1分ぐらいでどうにかドアが開いた。
さて、発車しようとすると、ドアが凍り付いて閉まらない!!! (爆)
結局閉めるのに1分半ぐらいかかった。
今から小牛田の向こうの仙台までいくっていうのに、鳴子温泉までたどり着けなかったら、ホントに冗談じゃない事態になる。
老運転士のつぶやき「頼む、この鉄橋だけは越えてくれ。あと10m、あと10mだけでいいんだよ。その先はトンネルだから
! 頼むっ!」
こんな声が我々に聞こえてくるもんだから、いいようもなく不安になったのだが、どうにかこうにか鳴子温泉まで着けた。
普通だと所要時間1:02で17:55着の所が、18:30に着いた。
駅で運転士は心底ホッとした様子だった。
もちろん鳴子温泉駅での接続列車はとっくにいってしまっている。次は19:00までない。
乗ろうとすると、またさっきと同じ運転士が。社員酷使してますねぇJR。ま、怖いのは新庄へ引き返す快速列車の運転士だけれど…(汗
まあ、中山峠を越えた以上、先に難所はないらしいので気動車キハ112は定刻通り雪を突破していった。
小牛田には定刻到着し、つつがなく東北本線に乗り継ぎ。東北本線で仙台へ出て、そこから地下鉄でホテルの最寄り駅へいった。明日は仙台観光・東北本線支線(利府線)に乗ったあと、常磐線全線を各駅停車で制覇して上野へ出る。
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