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瀬戸内しまなみツーリング

長らく更新が止まっていた。卒論のせいである。この春が来るまでが長かった。 卒論の実験はとにかく忙しく、ストレスで1kg/10日の割合で体重が減った。(笑) おかげさま(?)で半年前よりだいぶ軽量化した体で、今年は瀬戸内へ出かけた。
本四架橋
本四架橋

瀬戸内しまなみ海道は、今まで最も自転車で走ってみたかった道の1つである。本州と四国を海上の橋で結ぶルートは、ご存じ瀬戸大橋(児島-坂出ルート), 明石海峡大橋(明石-鳴門ルート), そしてしまなみ海道(尾道-今治ルート)の3つある。そして、唯一しまなみ海道は自転車(or徒歩)で全区間を通過することができるのだ(他の2つは完全に高速道路)。風光明媚な瀬戸内海とその島々をなんとなく巡るのが今回の目的だ。

3/3-4 しまなみ海道1日目。白砂青松、強風。


吉祥寺まで自転車で行き、急いでパッキングして深夜の中央線に乗車。夜の東京行きはさすがに空席も多かった。東京でいつものムーンライトながらに乗り換え。自転車は小さいので一番端の席の裏に入れさせてもらった。
そしていつものように大垣へ。相変わらず乗客はまぁアレだし、相変わらず椅子は硬くて尾蹄骨が痛くなるし、だんだん人いきれが欝陶しくなってくるが、それは2810円でケチ旅行をする代償としては当たり前だ。

大垣でいつもの網干行き(115系7連)にのりかえ、関ヶ原を越える。今年も雪が舞っていた。なんか汚ならしいおっさんが、2mぐらい前でものすごく爽快そうに鼻クソをほじっては床にぼろぼろと捨てていた。途中から乗ってきた女子中学生が、そんなことは露知らずその床の上に鞄を置く。あーあー。しかも邪魔だからと足であっちこっちと蹴ってずりずり動かしている。もう底になすりつけまくりだな。かわいそうに。

米原で新快速(223系8連)に乗り換えた。途中窓から「浮気製作所」という看板の工場が見えて笑った。浮気な仕事するのかー。または浮気って人がやってるのかな。どのみちいかにも浮気しそうだ(失礼)。
私の乗っていた車両には、私以外に男女2人自転車を持ちこんでいた。2人はマウンテンバイクで、別の車両の数人といっしょに大学のサークルで来ているようだった。
列車は大阪にちょうど9時過ぎに着くこともあり、途中からだいぶ混んできた。東京に比べればどうという混み具合でもないが、それでも入口付近に自転車が3台もあれば気も引けるってもんだ。私は昨日家を出る前から12時間以上トイレに行ってなかったので、そろそろ行こうかと思っていたのだが、混みすぎてトイレに行くことも降りることもかなわない。我慢我慢。京都を過ぎ、大阪を過ぎ、高槻を過ぎ、…まだ空かない。神戸を過ぎたところでやっと移動できるようになった。しかし使用中。トイレの前で待ってみても一向に出てくる様子がない。結局姫路まで我慢する羽目になってしまった。

姫路で50分ほど時間があるので、降りて帰りの日程を検討した。帰りもながらが取れれば現地で数時間余計にゆっくりできたのだが、みどりの窓口で聞いてみると結局取れなかった。姫路からは姫新線が出ており、ホームにキハ40+48, 車庫にキハ58+28がいた。播但線に直通する関係で特急のキハ181系も走っており、中国地方の国鉄気動車の健在ぶりが伺えた。ま、あと何年保つやら。

姫路からは115系3連の三原行きで山間コースへ。上郡から先、岡山までの内陸区間ではほとんど誰も乗り降りしなかった。おかげで立ちっぱなし。岡山で自転車サークルは降りていった。どうやら四国に渡ってツーリングらしい。それもいいかも。

岡山から尾道も2時間ぐらいかかり、意外と遠かった。小説を読んだりうとうとしたりしているうちに到着。
ここから出発。撮ったときは右上の城に気付かなかった。
ここから出発。撮ったときは右上の城に気付かなかった。
駅前。造船所が見える。
駅前。造船所が見える。

尾道の空は陽光が明るく差し込んでいたが、雲もそれなりに多かった。気温はけっこう低く、瀬戸内だというのに時折風花が待っていた(あとで聞いた話だが、今年一番の大寒波が瀬戸内を襲っていたそうな)。まずは立派な観光案内所に行き、しまなみ海道に関するガイドをもらった。しまなみ海道は瀬戸内に点在する島々を次々に橋で渡っていく。今日は3番目の島、生口島(いくちじま)のユースホステルが目的地である。
1日目:尾道→向島→因島→生口島
1日目:尾道→向島→因島→生口島

まずは最初の島、向島(むかいしま)に渡らなくてはならない。尾道から向島までは

  • 尾道大橋…昔からかかっていた橋。
  • 新尾道大橋
  • 渡し船
という3つの手段がある。
国道2号より。奥が尾道大橋、手前が新尾道大橋。
国道2号より。奥が尾道大橋、手前が新尾道大橋。
観光ガイドを見ると、自転車では
  • 尾道大橋…歩道が狭い。
  • 新尾道大橋…歩道がない。
  • 渡し船…おすすめ。
となっていた。自転車で走ろうと息巻いてきたのに、とりあえず渡し船は嫌かも。 じゃあどっちの橋にするか。普段なら車道をまっすぐ走ってしまう私だが、ここの道路は、車が高速道路のつもりで走ってくるに決まっている。というか、橋の車道は怖いに決まっている。というわけで尾道大橋の歩道に行くことにした。
狭い…っていうかこれは歩道なのか?
狭い…っていうかこれは歩道なのか?
どんどん登っていく。しかしほんとに狭いな。
どんどん登っていく。しかしほんとに狭いな。
おいおい…
おいおい…
おいおいおい…
おいおいおい…
尾道市街を望む
尾道市街を望む
右側はもう向島。
右側はもう向島。
国道2号から橋の手前で離れ、天空の道路へとアプローチする坂を登っていく。…が、歩道が狭い。上のガイドにも書いてあったので覚悟してはいたけど、マジで歩道が狭い。土の山がせり出していて、走れる部分なんてほとんどない。しょうがないので土の山の斜面をどうにか走る。途中からは階段で、自転車を持って橋の手前まで持ち上げた。
橋に入ると、歩道はまた狭くなった。しかも荷物つけた車幅+15cmぐらいしかないんですけど!(笑:写真参照) ふらつかないようにそろそろと進んでいくのだが、橋の上は風が強くそうもいかない。何度もこすりながらいくと、さらにその先に障害が! 吊り橋のワイヤーが歩道の真ん中から生えているのである。びっくり。こーれどうすんだよもう。通れないじゃん!
…と思ったらその部分だけガードレールがなかった。ここだけ車道にはみ出して通れということらしい。迫ってくるトラックにぶつからないよう、急いではみ出して通る。こんな狭路に苦労するくらいなら最初から車道を爆走すればよかった気もするけど、まぁガードレールにこするくらいなら怪我も事故も起きないし。景色も見えるし。(ま、ガイドブックには従った方がいいということですな。)
ということでどうにか渡り切ったところで料金所出現。ま、なんかこれだけ苦労して金払うのも悔しいのだが。10円入れろという箱があったので5円入れといた。すんません。10円玉なかったんですぅ。
向島料金所
向島料金所

さてさてやって来ました向島。国道317号線は島の西側を走っているので、わざと国道を避けて東側の道を走ってみた。向島や次の因島の都市部はまだまだ尾道の郊外。瀬戸内海らしさが欲しければ交通の利便のいいところは避けないといかん。
港
島の東へ。
島の東へ。
道は山を越えて海に下ったり、海沿いを1車線で走ったりと刻々と表情を変えていく。人影はもちろん足跡すらない砂浜と、そこからつながる水色の海、すぐ向こうに見える島々がとても瀬戸らしくていい感じである。海の匂いはあまりしない。風が強すぎるせいだろうか。それとも磯でないせいだろうか。
次の因島へ渡る橋、因島大橋へいつたどり着くだろうと走り続けるのだが、なかなか着かない。ま、なんだかんだといって最短距離で走っても山手線横断くらいはあるし、高低差も風もあって舗装もあんまりよくないわけで、そう簡単には着きませんな。
光と海1
光と海1
光と海2
光と海2
光と海3
光と海3
陽光と吊橋
陽光と吊橋
途中お約束のように別の峠を登りそうになったりしたが(苦笑)、無事因島大橋まで入ることができた。
自転車・原付専用道入口
自転車・原付専用道入口
因島大橋へのアプローチ。この道路の下も数十メートル何もない。
因島大橋へのアプローチ。この道路の下も数十メートル何もない。
車道の下を自転車道が通る。
車道の下を自転車道が通る。
橋はやはり空を通っているので、アプローチするサイクリングロードも登り勾配となっている。しかもサイクリストのことを考えて勾配がゆるくしてあるので、トップギアでも走り抜けられるワインディングになっている(←普通のレンタサイクルだとたぶんどうにか登れる程度だと思います)。因島大橋は自転車道が車道の下にあり、下を見下ろすと海。柱も海上にはなくてだーいぶ怖い。ま、落ちることはないと思ってるわけだが。金網に挟まれた中をひたすら直進していった。
こわー
こわー
うひー
うひー
そして因島に到着。料金所は50円、となってるが…100円玉しかない。ので通過(ぉぃ。 次の橋でまとめて払いますからー。因島はポルノグラフィティの出身地ってので今は有名なんだろうか。私は1つの島が市になってる唯一の例、とか造船の島、とかそんな認識だった。この島であんまりもたもたしてもいられないので、サイクリングロードのガイドに従ってずっと走っていった。海岸は向かい風が強い。というか強すぎ。橋の上の風で冷え切った体にさらに追いうちをかけるように吹きつけてくる。途中内陸の山越えになったとたん、風が弱くなってスピードが上がったのには苦笑してしまった。やっぱ自転車の敵は坂でも雨でもなく、風だなぁ。
造船所@因島
造船所@因島
坂の途中より。
坂の途中より。
生口橋入口
生口橋入口
ヘアピンで高度を上げていく。
ヘアピンで高度を上げていく。
高台から見るとやっぱり、因島は造船と農業の町だと思う。市街に降りるとやはりそれなりの街になっていた。街の中心部を抜けてやっと生口島への橋、生口橋の入口に着いた。また自転車用の連続ヘアピンを抜けて橋へ。
生口橋
生口橋
たもとより。
たもとより。
防犯カメラがみてる。しかも警告用スピーカーまで…
防犯カメラがみてる。しかも警告用スピーカーまで…
こんどは自転車道も非常に広く、車道の横についていた。そうそう。こういうのがいいんだよ。気持ちよく飛ばして生口島へ降りたった。橋がちょうどよく見えるスポットがあったので写真を撮ってから、今日の目的地瀬戸田しまなみユースホステルへと島の西側を走った。国道は東側を通っているが、町の中心部は西にある。ここも風がとにかく強い。ひたすら、とにかく向かい風。道はうねうねと曲がっていて、その地形に左右されて風が強くなったり弱くなったり、斜めからあおってきたりするので参った。とにかく日が暮れないうちに、ということで頑張ってユースホステルに到着した。
夕日に向かって一直線〜
夕日に向かって一直線〜
いい感じな木造校舎の廃校を発見。
いい感じな木造校舎の廃校を発見。
道からちょっと降りて海との間に建っているユースホステルは、一目でユースとは分からないかもしれない。しかしホームページの写真でそのボロそうな(失礼)見かけを焼きつけてから行った私は一発で分かった。Louis Garneauの自転車が止まっていた。自転車の先客がいるらしい。部屋に入ると底冷えする寒さに震えるほどだった。こたつと暖房をつけて温まるのを待った。しかし瀬戸まで来てこんなに寒い目にあうとはなぁ。
風呂に入ろうとしたら相部屋になった人が到着。東京から来た写真家志望の学生だそうな。先に自転車で来た人(女性の一人旅だった)もちょっと顔を見せた。朝早く出てひたすら走ってきたとかで、疲れて寝ていたらしい。

風呂はラドン温泉で、ペアレントが配管を自分でやって沸かしているのだそうだ。入ったあとも体があたたまったままなのが実感できた。旅行に来たらやっぱ温泉入らないとなー。
ユースには弓道場もあり、それを利用して京都産業大の弓道部が合宿に来ていた。彼らといっしょに夕飯。夕飯は品数も多く、味もそれなり(写真)。昨日のながらに乗って以来ろくに食べていなかったこともあり、3膳も食べてしまった。
ユース入口。
ユース入口。
夕飯。
夕飯。
夕食後、ペアレントに「お茶でも飲まないか」と誘われ、地元でイノシシを撃っている猟友会の人もいっしょに1時間ほど雑談した。先月生口島で起こった大規模な山火事の顛末など、地元の関心事について聞いた。あの火事は全国ネットで報道されたもんなぁ。

今日の走行47km。
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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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