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目次
冬枯れの保津峡
三千院〜伝説の峠へ
竹の中の静かな時間

竹の中の静かな時間

今日は最終日。とはいえ天気が悪いのであんまりたくさん走る気はない。さくっと荷造りして出発、嵐山へ向かう。途中に広沢池という閑静な池があり、誰もいない中静かな水面に山が映り込んでいた。幽玄で美しい。

嵐山で有名な橋、渡月橋を渡り、松尾大社の方へと向かう。2車線道を快走していく。今日の目的地は、「地蔵院」という禅宗のお寺である。ユースホステル内にはってあったポスターでなんとなく雰囲気が良かったから言ってみようと思ったのである。このあたりにあるお寺で有名なのは通称「苔寺」の西芳寺だが、ここは予約しないと入れない。
地蔵院は境内の8割ぐらいが竹林であり、「竹寺」と言われているそうな。ちょっと迷いながら着いて入口へ。
開門時間はすぎているのに閉まっている。むむ? 「開門時間少し前に来た人は勝手口へお回り下さい」と書いてあるので(だいぶアットホームなお寺やね)行ってみるがいまいち分からない。うろうろしているうちに老僧がやってきて、開けてくれた。竹林の中にある小さな門のたたずまいは、本当に絵になるものだ。入って竹の中を登っていく。

地蔵院
地蔵院
竹林
竹林


しかし、私も家に竹藪があるので経験として分かるのだが、竹を生やすのは簡単でも管理する手間は尋常ではない。竹は地下の広いエリアに丈夫な根を張る。そしてかまわずに至る所に竹の子を出し、竹林を拡げようとする。これを食い止めるのは大変なのだ。そこでよく見てみると、このお寺では竹林と庭園や通路の境界の所に石垣を入れている。たぶんこの石垣は地中深くまで入っていて、竹の根が拡がるのを防いでいるのだろう。




庭園はやはり一面の苔。侘助の木を中心に、岩がいくつか配置されている。しとしとと雨が降ってきた。苔に、竹林に、静かに雨が降り注ぐ。 あー。自転車濡れちゃってるなぁ。と、お堂の縁側で考える。まぁいいか。もういいや。なんでも。ただ静かに雨が降り注ぐ。

ひとしきり空っぽになった後、自転車にまたがって京都駅へ。雨の中ゴアテックスを着込んで五条通りを烏丸まで7kmぐらい。そこから烏丸通りで東本願寺の横を通れば京都駅はすぐだ。さっさと新幹線の切符を買い、2時間半後には私は東京にいた。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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