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目次
豪雨の中を100km走ってみよう!
ジャングルの中を35km走ってみよう!
猛暑の中を100km走ってみよう!

7/15 ジャングルの中を35km走ってみよう!

地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
GPSログ
 夜暑い上に蚊に喰われまくって目が覚めた。エアコンとアースマットをONにして快適。どちらも我が家にはない文明の利器だ。
 朝、民宿の奥さんがコーヒーを持ってきてくれた。料金は素泊まりで2500円、安い。朝飯について訊くと、「3km戻るとコンビニ(ローソン)がある。近くに弁当屋があるがそこがやってるかは知らない」とのこと。行ってみたら弁当屋が開いていたのでチャンプルーとSPAMとハンバーグの弁当を買った。美味い。400円は安いし。バス停のベンチで食ベていると、名護からのバスが来た。車内からなんかかん高い声がする。爺さんが1人降りていったが、そのとき運転手が私に向かってジェスチャーで言うことには、「あいつ金払わなかった」。困ったジジイである。
朝の市街。
朝の市街。
雨もすっかりやんだ。
雨もすっかりやんだ。
弁当屋兼売店。
弁当屋兼売店。
バス停。
バス停。
 さて、今日は本島の最北端の辺戸(へど)岬を回り、ヤンバルを縦貫する「大国林道」を走破する予定だ。天気は曇り。海も落ちついてきた。雨が降ってないとこんなにも違う、こんなにも美しいものか。珊瑚礁の名残りのピンクの砂浜と、淡青色の海がつくる渚は、ここが熱帯であることを教えてくれる。道はずっと平坦で、私は気楽に北を目指した。
交通量も少ないいい道だ。
交通量も少ないいい道だ。
海も穏やかになってきた。
海も穏やかになってきた。
いい天気。
いい天気。
茅打ちバンタへの登り。
茅打ちバンタへの登り。
 途中、国道の旧道に茅打(かやうち)バンタという景勝地がある。わらの束を落とすとバラバラになって海に散っていくほど高い崖という意味だそうな。今や国道はトンネルで抜けてしまうが、あえて旧道で行ってみた。細い道を2kmほど登ると展望が開けた。沖縄は珊瑚礁だけあって島は石灰岩質で、奇岩が多い。
道の向こうは絶壁だ。
道の向こうは絶壁だ。
けっこう登ったかな?
けっこう登ったかな?
 その先にあるのが、沖縄最北端の辺戸岬だ。荒地を抜けて坂を降りると、これもまたダイナミックな景観が広がる。休んでいるうちに雲が晴れて陽が出てきた。
岬へ降りていく。
岬へ降りていく。
ヤドカリ。
ヤドカリ。
石灰岩と→
石灰岩と→
→ここも崖。
→ここも崖。
 次に目指すのは、国道58号終点の集落、“奥”だ。すぐに着くかと思いきや、それなりの峠越えが始まった。奥では共同売店で飲料を補紿し(コンビニは島の北にはない)、次の峠越えへ。
ヤンバルクイナ注意!
ヤンバルクイナ注意!
そして峠越えが始まる。
そして峠越えが始まる。
奥共同売店
奥共同売店
奥の集落
奥の集落
この橋で→
この橋で→
→国道58号は終わり。
→国道58号は終わり。
今日はここから先ずっと、山道しかなかった。途中静かなビーチを見つけて海に入ってみた。波はもうそんなに高くもない。私しかいない砂浜、これもまた悪くない。楚洲(そす)の共同売店でさんぴん茶を追加、安田(あだ)へ向かう。
誰もいない海岸。
誰もいない海岸。
渚。
渚。
 きつい坂の途中に白い壁の、洒落たリゾートホテルを見つけた。「沖縄そば」というのぼりが立っている。汗まみれの自転車乗りが入れる雰囲気じゃないが、補給にはちょうどいい。メニューを見ると「シェフのおすすめ 〇〇と〇〇のブルゴ一ニュ風」とかそんなアレで、正直汗まみれの私には素敵すぎだ。内装もトイレもとても綺麗。今度レンタカーでリゾートしにきてもいいかもね。
夏だ!
夏だ!
リゾートホテル。
リゾートホテル。
そばはソ一キがたくさん入って、だしは鶏。うまい。600円也。安っ。ここの支払はedyに対応していてびっくりした。
ソーキそばをレストランで食べる。
ソーキそばをレストランで食べる。
 さて、ここから今日の目的地、東村まではヤンバルを貫く舗装林道、大国林道を走る予定だ。この道は45億円をかけて原生林の中に作られた割に誰も使わない困った道で、よくヤンバルクイナやリュウキュウハコガメ、イボイモリなどが轢かれたり自然破壊につながるとかで、その系の団体にバッシングされているのだ(←なんじゃこの後ろ向きな説明は)。まずは県道2号線に入り、林道への分岐点を探す。熱帯雨林の中、恐ろしく高い橋を渡る。日差しは要赦なく私の体力を奪っていくが、頑張って登板し続けていく。途中に様々な生物(上記のヤンバルクイナからカニまで)の横断注意の看板がある。さらにこの辺の側溝は変な形で、スロープや階段がついている。 山側から希少生物が落っこちても、自力で帰れるように、だって。本当にこんなとこからカメやイモリが帰るかよ(笑) ま、行政からプロ市民への言い訳じゃないのかしら〜。
ここから帰るらしいよ!?
ここから帰るらしいよ!?
雄大な川。
雄大な川。
 ひぃひぃ言って登り、一旦下って林道入口へ。一車線林道はここから35km,携帯は通じないしほとんど車も通らないので正直孤立無援である。パンクぐらいならともかく、チェーン切れ以上のメカトラブルや自損事故はマジで勘弁な。
入口
入口
いきなりこんな。
いきなりこんな。
 よくあることだが、林道の登り勾配はえげつない。工費を減らすとどうしても斜面に沿って登るからだ。10%を越える登りがしょっちゅう出現し、その大半が横に溝の入った特殊舗装だ。正直やめてほしい。しかも台風のあとで道が土砂で埋まっていたり、木の枝と葉がー面を覆って危険になっていたり、さらには倒木があったりして一瞬たりとも気が抜けないのである。自損事故だけは避けなきゃ。だから下りもできる限りブレーキを引き絞って20km/h以下でいく。
ずっとジャングルだ。
ずっとジャングルだ。
この辺は舗装もまとも。
この辺は舗装もまとも。
 途中に誰が利用するんだ、という公園が出現し、完成時の大田知事が書いた「大動脈」という碑が。あとで色々な障害や悪路に悩まされるにつけ、この碑が頭をよぎって失笑を禁じ得なかった。
大動脈だってさ。ププー。
大動脈だってさ。ププー。
しかしてその実態は!
しかしてその実態は!
しかしてその実態は!!
しかしてその実態は!!
しかしてその実態は!!!
しかしてその実態は!!!
しかしてその実態は!!!!
しかしてその実態は!!!!
 道はこの、あまりに大規模な原生林の中を登ったり下ったり、登ったり下ったり、登ったり下ったり、登ったり下ったりしてゆく。標高は200〜400mで変わらないのに累積標高ばかり稼ぐ形に。しかし、熱帯雨林の生命力というのは凄まじい。人が作った細道など、少しでも整備の手を休めようものならあっという間に飲み込んで自然に還してしまいそうだ。水の流れる側溝など、既にわけのわからん植物が生い茂ってるし、しばらく刈られていない草は道幅を1mかそこらに挟めている。あたりは蝉の声と、だんだんに鳴き声の早くなる何か(ヤンバルクイナ?)の声に満たされていた。見たこともない青色のトンボと、美しい蝶と、オレンジ色の鳥が目を引く。あれはなんだろう。
海を遠望できるポイントも。
海を遠望できるポイントも。
橋は立派だ。
橋は立派だ。
 …さて、2時間経過。GPSによればあと2時間以内には着きそうだが精神的に辛い。宿に着いたら思いっ切りオリオンビ一ルを飲もう、そう心に誓って12%とかの坂を登る。途中に沢があれば水を汲んで浴び、熱射病対策をする。長いよ35km。1時間に1台しか車の通らない山の細道が、大手町〜立川ぐらいの距離続くと思いねえ。
さて残り9km!
さて残り9km!
しかしずっと獣道だな。
しかしずっと獣道だな。
 さて、残り10kmを切って道が下り基調に転じた。幅も比較的広くなった(?)。慎重さを忘れずに国道まで下り、さらに海へ。17時過ぎにとうとう、やっと、私はたどりついたのだ。あの道に5時間もいたことになる。
林道脱出!!ちなみに網はマングース北上防止。
林道脱出!!ちなみに網はマングース北上防止。
ダム建設の関係で立派な道が。
ダム建設の関係で立派な道が。
 海辺の国道は砂で埋まっていて、重機が撤去作業をやっていた。聞けば12mの波が東海岸を襲って、昨日の段階で50cmの砂が積もっていたとか(!!)
坂道を下ってきたら砂が! 写真撮ってる場合じゃない!
坂道を下ってきたら砂が! 写真撮ってる場合じゃない!
ブレーキブレーキ。
ブレーキブレーキ。
 私の泊まる宿「マリンガーデンひがし」も砂と水で大変な目にあったそうだ。宿泊客のレンタカーは全部流されてぶつかって壊れたらしい。私が予約した別館も砂のため使えず、同じ値段で本館(本当は高い)にしてくれた。ラッキーだ。
宿。
宿。
 汗を流してすっきりしたところで誓い通りオリオンビールの生をかけつけジョッキ2杯。美味い、美味すぎる。これのために今日林道含めて80kmも走ったといっても過言じゃないと思うわ。  タ飯は沖縄料理9品。身のしまったグルクンや、テビチ、刺身など。全部美味い。前来たときは沖縄料理ってあんまり美味しくないと思ったが、その認識は今回の旅で変わりつつある。
何という品数、すばらしい。
何という品数、すばらしい。
これがグルクンの塩焼きだ。
これがグルクンの塩焼きだ。
 カヤックで与論島に行こうとして台風で挫折したオッサン(カーボンMTB乗りらしい)と話しつつ、またオリオンビール。空を見れば星が多すぎてどれがどの星座かわからない。虫の音と海鳴りをBGMに、幸せな夜がふけていく。
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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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