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目次
豪雨の中を100km走ってみよう!
ジャングルの中を35km走ってみよう!
猛暑の中を100km走ってみよう!

猛暑の中を100km走ってみよう!

地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
GPSログ
さて今日は沖縄の北から、南にある空港まで100km。しかも17時出発の飛行機の搭乗手続に間に合わなければならない。

朝食に沖縄料理はなかったが、品数は5品以上あって十分。「少なくてすみませんね」と言われたがとんでもない。「しかしお客さんお一人?普通ここへはレンタカーカップルの方がいらっしゃるんですよ?」と朝食担当のオバア。酷いぜ婆さん。しかもチェックアウトしようとしたら釣銭がないときた。まあいいさ、俺様は寛容なのだ。

砂まみれ。
砂まみれ。
流木。
流木。
7:30にさくっと出発し、台風の高波で砂まみれの海岸線を走っていく。次の集落まで9km,その先の分岐はさらに24km。ここはまだ深いヤンバルの自然の中だ。5kmもいかないうちにスコールが。慶佐次(けさぎ)の共同売店で足止めを喰らう。
知ってる?
知ってる?
スコールのあとに地面が空色になること。
スコールのあとに地面が空色になること。
 程無くしてきつめの登坂が始まり、右も左も森になる。マングースがちょろちょろ出てきたりして可愛いが、こいつがもともとの固有種を喰い荒しているわけで、なんとも…。
 伊豆の海岸線のように登り下りをとにかく繰り返す道。途中に現れる静かな湾は青白い水をたたえている。特に大浦湾は息を呑む美しさだったが、ここに米軍が基地を作ろうとしているとか。川平湾の話もアレだけど、島のかなりの部分がもう基地じゃん。アメリカ風に土地の無駄な使い方してるじゃん。嘉手納だけで山手線内と同じ大きさですよ。ほとんど原っぱのくせに。これ以上拡げずに集積度を上げればいいのにね。ま、普天間に高々と掲げられた星条旗を見てここが米国であることを実感すると、もはや言う気も失せるんですが。
海と空はどこまでも美しく。
海と空はどこまでも美しく。
今日は平和だなぁ。
今日は平和だなぁ。
輝く。
輝く。
大浦湾にて。
大浦湾にて。
 さて、途中2回スコールで雨宿りしたが、名護市を抜けて国道は宜野座(ぎのざ)村に入った。ここまで走ればもう安心、何かトラブルがあっても空港までの高速バスに乗れる。ツーリングマップルに「墓地の中を走る」という案内があったので、沖縄の家型の墓の並ぶ中を走るのかと期待してたわけだが、全然そんなのは現れない。代わりに周囲の森からライフルのものと覚しき短い銃声がする。まあ、落ちは見えるよね。森に入るゲートには「U.S. Corps(アメリカ海兵隊)」と書いてあるわけですよ。そりゃ「墓」地じゃなく「基」地だろーよ。今もジャングルの中で軍曹殿がクソ虫を戦闘マシーンへと育成しているのかしら?とりあえず流れ弾だけは勘弁、と思いながら走り抜ける。撃たれちゃったら高速バスには乗れない。
銃声の中を…ってー!
銃声の中を…ってー!
そう、左右は海兵隊の基地。
そう、左右は海兵隊の基地。
 今日の日射しは夏の沖縄らしく容赦がない。日焼け止めを塗っても痛さを感じる。熱射病が怖い。追い抜いていく参院選の選挙カーに「水分はこまめに摂りましょう☆」と言われた。西風がずっと吹いてるのも辛い要因だ。平地でも16km/hぐらいしか出ない。
強い日射し。
強い日射し。
だがそれがイイ。
だがそれがイイ。
よく見るとF15が飛んでる。
よく見るとF15が飛んでる。
 市街に入れば先は見える。金武(きん)、石川、具志川、コザ、北中城(なかぐすく)、普天間、浦添、そして那覇。時間との勝負だ。12時過ぎに石川をバイパスで通過。この登りでかなりバテた。全く日射しから逃げようのない橋が長く続き、動悸が速くなってくる。熱射病か。…と、都合のいいところにブルーシールアイスクリームが!冷房の効いた店内でパイナップルとバナナのダブルを食ベ、回復。コザまであと10km、そこからは4年前に走ったから知っている。
しっかし
しっかし
あっついな。
あっついな。
救いが!
救いが!
食べ欠けで失礼。
食べ欠けで失礼。
登り下りに耐えて、やってきましたコザ十字路。これで以前走った分と合わせ、一周達成だ。わーい。
コザ十字路到着!
コザ十字路到着!
まだ炎天下の30kmが残ってる。
まだ炎天下の30kmが残ってる。
 さて、空港まで30km。ここから普天間へは、本島横断の峠越えがある。それを考えるとそれほどの余裕はない。のろのろと坂を登り、ライカムから基地の中をさらに登り、国道58号へ。…と、行く手の雲行きが怪しいぞ、真っ暗だ。国道で浦添に入ったあたりから,雷を伴った雨が。あと10km、ときに15:30。
見れば分かる、この先は雨だ。
見れば分かる、この先は雨だ。
やっぱり雨の国際通り。
やっぱり雨の国際通り。
飛行機が17時発だから、塔乗手続を考えるとうかうかしていられない。雨宿りは途中で打ち切って、ゴアテックスを着込む。結局これか。まあ仕方ない。  空港へは車道をひた走り、2階の出発ロビーへのアプローチも登ってしまった。バス停の客がみんなこっち見てる。まあ普通そんな奴いないか。
那覇空港に入った。
那覇空港に入った。
容赦なく高架橋を爆走。
容赦なく高架橋を爆走。
さぁ、出発ロビーが見えてきた。
さぁ、出発ロビーが見えてきた。
着いた!!時間ギリギリ。
着いた!!時間ギリギリ。
 時に16時15分。濡れた自転車をパッキングして塔乗手続を終わらせたときには16:30であった。手荷物預かりは16:35(出発25分前)までなのでかなりギリギリ。もはやレーパン+ジャージから着替えている時間もなかったので、上だけTシャツを着て下はゴアのまま。
 お土産屋に入ったのが出発15分前、10分前に荷物検査を済ませ、5分前に搭乗囗に着いてトイレから出てきたら、すでに搭乗が始まっていた。いやギリギリだったなあ。もし雨宿りと称して「A&Wでハンバーガーとルートビア」とか、「国際通りでお土産選び」とかやってたらえらいことになっていた。ま、それはそれで一興だったかもしれないけど。
 機内ではビールが100円だったので、一日頑張ったご褒美に2本あける。羽田に降り立ったときにはかなりの疲れが襲ってきていた。たぶん水の飲みすぎで胃を痛めたんだろう。
 まあそんなわけで今回は、3日程度の旅でもだいぶ冒険の連続であった。
皆さんは、一人旅をしたことがあるだろうか。椎名誠は、「旅行じゃあない、旅をしよう」と言っているが、その区別が分かるだろうか。ここを見てくれる旅人の諸氏には釈迦に説法かもしれないが。単身で出かけていって、意識と体力の全てを対象へと注ぎ込んで、冒険して、何かを感じ取って来るのはとても楽しい。
 みんなも一人で旅に出ようよ。ただ、無茶をする前に装備はちゃんとね。

 さて、次回更新は9月、北海道ツーリング第3弾、道南編です。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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