Home / 雑記 / Blog / CG / シケプリ / BBS / |
|||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||
8/19 肩寝違えたよ。もー。気象情報を見ると、台風で海〜鹿児島の天気は大荒れらしい。そのため、今日はフェリーが欠航、ジェットフォイルも午前中の欠航が決まったそうだ。今日帰る、または来る予定の人には気の毒な話だ。 屋久島の天気は悪くなく、雨も降っていないようだ。昨日はトレッキング、明日はツーリングということで、今日は足を休める日。レンタカーで3人、車で行ける景勝地を巡ることにした。 島は一周105kmもあり、普段自転車で動いている私の感覚ではどこへ行くにも一日がかりなのだが、車で一日あればそんな場所をいくつも巡れる。 まずはヤクスギランドと紀元杉を見ようということになった。ヤクスギランドは、昨日の山道を登山口の手前で(昨日と逆に)曲がった先にある、整備された屋久杉の森だ。ここは登山届を出さなくても気楽な装備でまわれるのがおいしい。Yukikaze氏の運転で安房の港から延々と14km山道を登る。バスは普通に登っていたが軽自動車でも幅に余裕はそんなにない気がする。途中に猿の親子がいた。
ヤクスギランドは、屋久島の薄暗く生命を育む森の姿を見るには不足だが、杉の巨木を見て満足するには十分な施設であった。美しい苔の写真を撮りつつ50分コースをなんとなく歩く。途中ですれ違った人々はみんな登山用の重装備だった。ヤクスギランドから本格的な登山道に入ることもできるので、そちらを目指す人なのだろうか。
ひと通り見たあと、紀元杉へ。この杉はさらに林道を6km奥に入ったところにある。バスはここまで1日1往復半来ている。ご苦労さま、としか言いようがない。紀元杉というから樹齢2000年ぐらいなのだろうか。ちなみに、縄文杉は2170年らしい。よくガイドブックには「7200年」と書いてあるが、あれはサバを読んでいる。外形から予測して7200年と言ってはみたものの、あとで炭素14の含有量から計算したら2170年だったとのこと。観光のキャッチフレーズにしてしまった以上、今さらあとには引けないんだろう。というわけで、紀元杉が樹齢2000年ならば、5000年サバを読んだ縄文杉と大して樹齢は変わらないことになる。…とはいえ、紀元杉もサバ読んでるんだろうね(笑)。 紀元杉は道からすぐのところにある。やはり大きい。十数種の植物に着生され、木の形をした植物の集合体になっていた。屋久島ではツツジすら木に巻きついて樹齢400年もの古木になる。これは屋久島だけの現象なんだそうだ。 lnavvlc氏は「こんなに楽に行けるところにいい杉があるなら縄文杉はいったいなんだったんだ」などと言っていたが、まぁ、縄文杉ツアーは屋久島の森を知るためだと思うのがいいんじゃないかな。
せっかくだから林道を最後まで行ってみようということになり、終点である宮之浦岳の登山道入口まで行ってみた。道はゲートのあと、沢と同化するように(?)木々の中へと消滅していくようだった。ここはもう植生帯の境目にあたるところなのか、木々もまばらになって見たこともない苔が目立つ。木は台風で多く倒され、無残な姿を晒していた。もともと岩の上にできた森で栄養が少なく、しかも台風で梢が吹っ飛ばされて光合成がろくにできなくなるという不遇な現実が、成長が遅くて樹脂の成分の多い屋久杉を作るらしい。
さて、次はとりあえず宮之浦まで行くことになった。宮之浦といったら入島した場所、そんなところまで延々と戻る必要はない、とか1人反対してみたものの、多数決で却下された。車は下りの21kmを一気にくねくねと下りていった。さすがに私も酔った。途中擦れ違う車のフロントガラスに猿が取り付いていた。うわ。図々しいったら。あれエサやるまでくっつき続けるんだろうか。 さてさて。宮之浦の手前の洋食屋「花の江」で昼食。名物オムライスを食べた(数日前にだいぶ食った気もするんだけどね(^^)。デミグラスソースがかかってそれなりに満足。ちなみにYukikaze氏とlnavvlc氏の2人は、定食モノを頼んで店員に「おかわりできますか?」と訊き、「できますよ」と言われたので注文したのに、最後にレジでご飯料金を追加されていた。ヒドい話だ。「おかわりできますよ」というのは「おかわりできますが、ただとは言ってません」という意味なのね。ま、よくある話か…
せっかく軽装で来たし、帰りも車だからと宮之浦ではお土産あさり。2人がお土産の試食コーナーを片っ端から攻めている。もう。君らは京都タワーの上から下まで生八ツ橋の店を全種類試食する中学生か(昔の私は2周目に入ろうとして店員に怒られた。恥ずっ)。というわけで他人の振りをしつつお土産さがし。箸でも買おうかと思ったが、屋久杉の箸というのはなかなかない。杉の箸ならどうにかある。樹齢が長くて密に変な木目の入った屋久杉は、まっすぐ削り出すのがとても難しいという話だ。だから売ってないのかしらん。 さて、あとはユースの方へ戻らなければ。北から西部を回って一周して帰るという案もあったのだが、一番の難所と名高い「西部林道」は明日のサイクリングまで見ずにとっておきたい。そんなわけで来た道を戻った。途中寄り道して千尋(せんぴろ)の滝を見た。lnavvlc氏とYukikaze氏の2人は屋久杉の箸を買おうとして店員の婆さんの口車に乗せられていた。箸選ぶのに10分もかけなくてもいいじゃん?(木目などから本当の屋久杉で作った箸が欲しかったらしい) 滝は遠くから展望台で眺めるだけだが、高低差・水量ともに想像以上であった。海からの上昇気流が雨を降らせるだけで、これだけの量が注ぐものなのか。なんというか、島全体が巨大な蒸留装置なのだな。
ユースへ戻る前に平内海中温泉に入りに行くことにした。 潮がちょうど満ちてくるぎりぎりの所で、海とつながった浴槽には波がどばっと入ってくる。湧出量が多いのだろう、次の波が来るまでには温まってしまう。硫黄泉で潮の香りもする、という風呂だ。海とつながった風呂としては五能線沿いの「不老ふ死温泉(異様に黄色い)」などが有名だが、ここもなかなかだ。ちなみに、我々が入ったところで女の子と入れかわりになってしまった。ま、混浴の風呂というのはだいたいそういうオチがつくもんだ(TT。 そして私以外の二人と、写真を撮りに来た観光客の女性三人組が、写真撮るなとか洗い場の使い方などと地元のおっさんに怒られた。 地元の人が使う風呂に入れてもらうわけだから、向こうの言うことには従わないとダメだけどねー。
ユースに戻り、明日の予定を考えた。マウンテンバイクは3台しかないので、私とlnavvlc氏と例の女の子で予約。Yukikaze氏は原付でサポートしてくれることになった。我々がえっちらおっちら登坂する途中、「前に出ると排気ガスが辛いから後ろからついてきてくれ」と無理を頼む。
宮之浦からユースまでの、島の東側も平地はほとんどない。ゆるやかなアップダウンが連続することはバスとレンタカーで通って分かっている。西部林道については人の話を聞いただけだが、だいぶ勾配がきついとのこと。国土地理院の地図やカシミール3Dで確認すると、一箇所3,4kmで300m近く標高を上げる九十九折りがあることは確認できる。行く予定の人々はだいぶ及び腰だ。
さぁ、明日はどうなるかな。胸を高鳴らせて眠りについた。 |