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目次
はじめに〜宗谷岬→稚内
稚内→サロベツ原野→初山別
初山別→留萌→旭川
大雪山の紅葉再び
自己啓発セミナーの罠? 旭川→美瑛→富良野
富良野→狩勝峠→新得
新得→帯広→帰路、総括

北海道秋風ツーリング550km

はじめに

前日出張の帰りに書いた文章なのでここから数行は愚痴っぽいです。
今年はどこに行こう。
夏前には漠然と北海道か沖縄かなぁ、と考えていたのだが、八月の頭に突然危機が。 「今年から夏休みはお盆の3日間にしよう」とか偉い人が言い始めたものだから大変である。 つーかこっちは有給休暇なんてもらってませんからな。毎年旅行でMPを回復しているこちらとしては、毎年そんなことになったら話にならないわけで。
…そして重なる仕事の山に暗鬱たる日々が続いていたのだが、なんかお盆以外に5日間とっていいことになっていた。なんだ、お盆休みが例年に追加されただけじゃん。 お盆はそれまでの疲れを回復すべく寝ているだけで終わってしまったが、そのあたりでついANAのページを開き、 「東京→稚内」の飛行機をぽちっとクリック。9月中旬の連休の間に10日間ぐらいの休暇を確保することにする。とりあえず帰りの飛行機は考えない。

出発前日までは秋田に出張、夜に帰ってきて翌日北海道へ飛ぶという鬼のような日程だが、まぁ仕方あるまい。 ちなみに千歳までの安いチケットにしなかったのは、札幌発で都市圏を脱出するのが意外と面倒くさいということがわかったからである。 稚内とか、釧路とか女満別とか、そういう所まで+1万円ぐらいで一気にいってしまって、元気のある最初のうちに北海道らしい大地を満喫できた方がいいものね。 …それは金で時間を買う人の発想かしら。いつの間にか私もオッサン…ということか。このサイトを始めてから(コンテンツは増えてないけれど)私をとりまく状況もいろいろと変わったものなぁ。 でもしょうがないよなぁ。だって「何も仕事できない時間」を、無理して数ヶ月前から計画して、関係各所にゴマすって、金を出して買わないとどうしようもないんだもんねぇ。

ちなみにここまでは秋田から帰る新幹線の中で書きました。スーツでビール片手…オッサンやなぁ… じっと手をみる。愚痴っぽいですか。月並みですか。ですよね。すいません。 さて、明日からいつものようにリアルタイムで旅行記を書きつつ出発ですよ。

9/16 東京→稚内空港→宗谷岬→稚内 65 km(実走)

1日目。地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
1日目。地図中のコースの色は青:15km/h→赤40km/hに対応します。
朝荷物をまとめて羽田へ。前回より少し荷物が減った気がする。早く着きすぎたので2時間弱時間をつぶし、バスで移動して搭乗した。フライトアテンダントは丸々と太ったオバチャンをはじめとして皆さん大層厚化粧の方々であった。どうも機内が臭い気がするが…ま、1時間少々なので許してやろう。

今回はGPSに北海道の全自治体とライダーハウス,とほ宿の座標を入れてある。フライト中にGPSを見ていると、最寄りのウェイポイントから大体どこを飛んでいるか分かって面白い。しかしよくアテンダントに携帯と間違われて怒られ、携帯じゃないといえば不審物としてマークされるという困ったことも起きるのだが…

さて、飛行機は稚内空港の短い滑走路を器用に使って着陸した。小さな到着ロビーでトイレに行って戻ってきたら、すでに大半の客は荷物を受け取ってバスや車でどこかへ行ったあと。成田のように延々と待たされることなどあり得ないのだ。
稚内空港到着。既に何もない…
稚内空港到着。既に何もない…
とりあえず軽装で出発。
とりあえず軽装で出発。
私もさっさと自転車を組み立て、フロントバック以外は空港のコインロッカーに預けて出発した。とりあえず稚内に来た以上宗谷岬に行かなくちゃ、と思ったからである(でも苫小牧から自走で宗谷岬を目指すのはありふれてて抵抗があるの)。空港は宿のある稚内市街地と宗谷岬の間にあるのだ。
さて地図を確認。これが空港の面する国道か。ならば右が東か。GPSもそう言っている。しかし右へ出発して200m程度で「↑ 稚内」という看板が。あれ?岬と逆?
では逆に行ってみるか…と、左に行くとほどなく「20t超大型車はここまで」の標識が。あれ?R238って大型車通りまくりの幹線国道だよな?
あららー?
あららー?
なにこの沼!?
なにこの沼!?
1kmほど行くと電柱も、積雪時に路肩を表すポールもなくなり、幅3mぐらいになって…ゴルフ場の中の…ゴルフ場の中の…

わかってます。出発早々迷ったんだよな。ここゴルフ場だよね。要するに空港の前の道路は国道じゃないんだろ? 薄々気付いてたさ。認めたくないけど。悔しいなもう。

今日は宿泊予定のユースホステルに「夕ご飯は『いくら丼』ですから遅れずに18:30に来て下さいね」といわれているのだ。現在15時。残り距離60km弱。時間的に行けなくはないが、海沿いゆえ風に恵まれなかった場合は厳しい。どうやら岬への23kmは追い風のようである。ということは帰りの倍近い距離が向かい風か。早速恵まれていない。とりあえず行きで時間を稼ごう。30km/hオーバーで、礼文島をのぞむ海と、背の低い原生林に覆われた丘陵の間を快調に飛ばしていく。
北海道らしい風景。
北海道らしい風景。
礼文島。
礼文島。
しばらく走ると懐しい風景が現れた。4年ぐらい前だったか、流氷を見に晩冬の北海道を訪れた時のことである。誰一人いない宗谷岬にバスで降り立ったあと何もすることがなくなった私は、次のバスまで2時間もあったので仕方なく西へ雪の中歩いたのである。延々と歩いてたどりついた漁港の停留所「恩頃間内(おんころまない)」で、道端にしゃがんでバスを待っていたのが思い出される。あのとき一緒に来たhuck氏は途中で分かれて釧路湿原に行って写真を撮ってたっけか。
さて久々の恩頃間内。あれから数年いろいろあった。こうやって自転車で来ることになるとは。
懐しいバス停。
懐しいバス停。
2003年春の写真。
2003年春の写真。
宗谷岬はそれから6km弱。前来た冬と違ってモニュメントの前は記念写真を撮る人がたくさんいた。中でも長時間かけて撮影していたのが、女子の制服を着た男。いろいろとフォトジェニックなポーズを模索しつつ、母親(!)とおぼしき人にシャッターを切らせているようだった。頭の中に浮かんだ説:

  1. 変態の息子の願いを母親が聞いてやってる。
  2. 母親の趣味につきあわされてる。
  3. 1+2。親子そろって大馬鹿者だわ!
  4. 母親に見えるのが(老け顔だけど)恋人。→実写版ゆびさきミルクティー(セルフポートレートじゃないが)。
  5. 極めて特殊な雑誌を撮影しているモデルとカメラマン。
  6. 実は男っぽい女子高生が母親と旅行してるだけ。
6だったらすいません。でも制服で旅行したり、わざわざポーズに何分もこだわったりしないよなあ…
まぁ1枚。
まぁ1枚。
さて、売店で最北端到達の旗を買い、出発。バイクや車ならガソリンスタンドで給油するだけで旗は貰えるんだけど。帰りは向かい風と時間との勝負である。15km/hしか出ないのが悲しい。やがて礼文島に夕日は沈み、空が赤紫に染まった。空と海と大地の間で、今私は生きている。
礼文に陽は落ちていく。
礼文に陽は落ちていく。
表情を変えていく空。
表情を変えていく空。
360度の夕焼けは→
360度の夕焼けは→
→圧倒的なものだ。
→圧倒的なものだ。
稚内の街に入った頃には、日はとっぷりと暮れていた。今日のユースは、数年前にも来た稚内モシリパユースホステル。ユースとしては少々高いが、徹底的に作り込まれた手作り感と細やかな気配りが私は好きだ。今日は連休ということもあって宿泊者はそれなりに多く、夕食も4人でテーブルを囲んだ。が、ギリギリで着いて最後に座ったあとどうにも会話に入れず、最後まで残りの3人の話を聞くことに。こういうとき簡単に他人の話に入っていける人達がうらやましいわ。 いくら丼はまずまず悪くない。だが、昨年知床で食べたのと比べると全くかなわないな。あれは本当に、本当にうまかったもの。うーん。酒としょう油の味がしみすぎてるのか、そもそも素材の問題なのか。
夕食。
夕食。
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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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