U.C.Garden banner
Home 次へ→

Home / 雑記 / Blog / CG / シケプリ / BBS /

目次
8/28 東京→中標津 (航空機+21km)
8/29 中標津〜知床 95km
8/30 知床断崖シーカヤック (カヤック+8km)
8/31 知床の秘湖へ!
9/1 知床〜興部 輪行+87km
9/2 興部〜猿払 146km
9/3 猿払〜稚内空港〜東京 (52km+航空機)

知床・オホーツクツーリング400km

今回のルート

今回のルート。クリックでGoogle Mapsに飛びます。

早速雨の予感!

今年も夏がやってきた。なんかいつもよりも暑さがひどく、消耗した気がする。でもまぁ、今年ぐらいは愚痴からはじめるのはよそうと思う。こんな環境になってもう5年が経つが、いいかげん鈍感になってストレスをあまり感じなくなってきたというか、そんな生活も今年度いっぱいで終わると思うと気が楽というか。もちろん毎日いろいろあるんだけどさ。

さて、今年のコースは道東〜道北である。私の好きな中標津から出発し、初の北海道ツーリングで来たときにはわずか一泊で去ってしまった知床半島(熊には会ったけどね!)に3日滞在し、その後オホーツク海の海岸線に沿って稚内まで北上するという計画である。海産物あり、廃線跡もあり、自然もありでもりだくさん、のはず。

でもひとつ気がかりなのは、自分が旅行にいくとなぜかけっこうな高確率で嵐を呼んでしまう気がすることだ。今まで何度台風や雷雨といった悪天候の中を走ったことか。その経験を踏まえて、今年はレインウェアに加えてヘルメットとシューズ用のレインカバーも用意した。サイドバッグはそろそろぼろくなってきたので水が入りそうなところを修繕した。GPSはもちろん防水、カメラももちろん防水ケースに入れてある。

思い起こせば初めて雨の中でひどい目にあったのは埼玉の中津川林道。 あれから六年、私の装備も、経験もだいぶ変わった。泣きそうになりながら自転車を押してた小僧も、いつの間にか一日で日本を横断できる峠大好き人間になった。
でも、でもね。相変わらず天気だけは変わらない。週間天気を見ると北海道は一週間の半分以上雨!初日ももちろん雨! ふふ。でももう大丈夫。雨の中走るくらい、沖縄で増水した川を自転車で渡った私にとっては大したことない…ハズ。

…そう思わなきゃやってられないよ馬鹿〜(TT;;

さて、始まりです。

8/28 東京→中標津 (航空機+21km)

今回のルート

今回のルート。クリックでGoogle Mapsに飛びます。

朝8時のリムジンバスに乗り、一路羽田空港を目指す。駅にはもちろんたくさんのサラリーマン。まさか満員電車で輪行するわけにもいかないからリムジンバスなわけだが、こうやっていつもの自分のように平日を過ごす人々の中で自分だけ休日というのは無性にうれしい。

バスは羽田まで2時間かかった。早朝なら1時間かからないこともあるのに。理由はまず平日の朝だからなのだが、それ以外に首都高池袋線のジャンクションで先日タンクローリーが横転炎上する大事故があり、その関係で渋滞が発生していることもある。バスは中央環状線を延々と走り、葛西から湾岸線方面に向かった。

中標津ゆきはターミナルのいちばん端から出発した。以前乗った稚内行きよりも広い7列のシート。いつも思うのだが、最初に禁止事項などを説明するビデオの声がANAはたぶん小杉十郎太で、なんだか渋くてカッコイイ。そう思ったことありませんか? >(腐)女子の皆さん

さて、飛行機が着陸したのは雨の中の小さな空港。最近ローカル空港が好きで仕方がない。大館能代空港、中標津空港、稚内空港、波照間空港(定期便は最近機長が定年退職したせいでなくなったらしいぞ→別の航空会社になったらしいですね)などなど。ローカル線の小駅に感じるロマンやノスタルジーに通じるものがある。しかも羽田から直行便があるとすぐに田舎に行けてうれしい。あいにくこういうところに行ける格安航空券のプランというのはないのが残念だけれど、幸い私は貯まったマイルで旅行しているのでその心配はない。
中標津空港。もう雨だ。
中標津空港。もう雨だ。
出発。
出発。
中標津は大きな町である。根釧台地の広大な酪農地帯の中心地として栄えている。北海道の町がほとんど過疎化して滅び行く中で、中標津はなんと人口が増えつづけているのだ。でも市ではないの。鉄道も標津線という地方交通線が通っていたけれど、20年近く前に廃止されてしまっている。市街地を出れば一瞬で牧場。なんというか、その微妙に大きくて小さい、そんな感覚が好きだ。

空港を出た瞬間、農協の人が迎えてくれた。『中標津の牛乳どうぞー』と200mlのパックをいただいた。あらうれしい。トイレで完全防水装備に着替え、町へと下った。市街地の中でもバスターミナルに行きたかったのだ。だいたい北海道では地方交通線をバスに転換したあと、駅舎をバスターミナルに転用する。だから標津線の片鱗を見つけたければ、バスターミナルに行くのが先決だ。行ってみると、面影はさっぱり見当たらない。一部、道路の突き当たりの先が不自然に緑地っぽくまっすぐに伸びているところがあって、「あれ、これは道床のあとか?」と思ったが、いまいち自信が持てなかった(結果的には正解だった)。
さっそく牛乳をもらった。
さっそく牛乳をもらった。
中標津市街。
中標津市街。
駅跡にある建物。
駅跡にある建物。
バスターミナル。
バスターミナル。
仕方ない、よく分かんないから次の目的地に行こう。次に行くのは名所、開陽台である。ここは270m足らずの丘なのだが、根釧台地においてはかなり高く、周囲200kmを見渡せる大展望が得られるとのことだ。どんだけだだっぴろいんだ道東。
上下にくねくねするけどずっと直線。
上下にくねくねするけどずっと直線。
ああ、晴れていれば…
ああ、晴れていれば…
国道から曲がると、直線道路になった。地図で見るとこの先10kmぐらい直線である。丘陵地帯なので、道路にアップダウンがあるが、丘の3つぐらい先までうねって見える。これはすごい。さっきから言及してなかったが天気はずっと雨。汚れた路肩の土砂を水といっしょに巻き上げているので、シューズカバーも自転車もどろどろだ。そしてなぜか大型ダンプとよくすれ違うので、風と水煙をそのたびにくらう。
防風林。
防風林。
少し登っているが、全然分からない。
少し登っているが、全然分からない。
淡々と走った先で道は曲がり、本格的に上り始めた。開陽台まであと2km、少々見通しが開けたところで先の道が見えた。そして落ちも見えた。(笑
ここから登り。
ここから登り。
坂道になる。
坂道になる。
状況からお分かりの人もいるだろう、霧が出ているのである。ある程度標高を上げてしまうともう何も見えない。100m先も見えない。100m四方には牛がいるだけなので、牛以外見えない。もうこんな中登っても仕方ないじゃーん、と心が囁くのを押さえつけて、急な坂を汗だくになって登りきった。
これは酷い霧…
これは酷い霧…
着いたはいいが…。
着いたはいいが…。
展望台には「地球が丸く見える展望台」とか「国後島が見える」とか書いてある。そうね、地球丸いのかな〜。今は近くの鉄塔すら見えないけど。ぐすん。
無駄は承知で登ってみました。
無駄は承知で登ってみました。
さて、国後島はどこかなー(泣
さて、国後島はどこかなー(泣
さて、今日の宿は「地平線」。ここから2km足らずのとほ宿だ。雨の中の下り坂、慎重にいこう。いくらシビアコンディション用のXTRのシューとはいえ、総車重100kg近い自転車を雨の中40kmオーバーから何度も減速させたらなくなってしまうだろう。
北19号。
北19号。
この道は北19号といって、このあたりでも有名な直線道路だそうな。確かにここも10km程度先まで見事にアップダウンする道が続いている。あの斜面を全部登ったり降りたりするのか。サイクリストはつらいよ。でも、見事なのは本当だ。

民宿「地平線」はこじんまりとしていた。今日の客は私一人だそうな。昨日はサイクリストとライダーで7人ぐらいいたらしいが。早速ご主人が温泉に連れていってくれるという。ぬれた荷物を玄関に置いたら、デミオに乗って出発だ。

さて、このご主人、というかおじいちゃん、とても運転が怪しい。いや北海道の人だから慣れているとは思うのだけれど、東京ではまず許されないような運転を平然とやってのけるッ!そこにしびれる、あこがれ…ません。まず走るラインがおかしい。センターラインよく踏んでます。あのだだっぴろい北海道の道で、あまりに右に寄っているのだ。1mは寄っている。で、対向車が来ると急ハンドルで車線の中央に戻る。お願い、ハンドルを動かさないで真中にいてちょうだい。そう思っていると、雑談に興が乗ってきたのか、ハンドルを手放ししてこっちを向いて話し始める。いやーやめてー車がどっか行き始めてるよー…と思っているとたまに急ハンドルで正しい位置に戻ったりする。そしてアクセルの踏み方がおかしい。一秒おきぐらいに強く踏み、すぐに戻すというのを繰り返している。だが車の速度自体は60キロ程度で、一定だ。タコメータを見ると、1秒おきに1000回転と2000回転を行ったり来たりして、規則的にエンジンがうなっている。どうやら、ATの3速と4速の間を行ったり来たりしているようだ。踏むと加速しようとして3速に入ってるわけ。微妙にアクセルを調節して一定にしてくれないとこっちが不安になる。曲がるときも手繰りハンドル。まぁ普段曲がらない人々だからそれでいいの?あっちのほうがベテランだから私は何も言わなかったが、それじゃ東海道だって運転できないぞ。(せっかく案内してもらってすんません)

廃線跡の話をすると、ご主人は地元の人しか知らない遺構に案内してくれるという。道から少し曲がると、ダートの1車線道路がずっと続いていた。盛土がある。草がほとんど生えていない。標津線厚床方面の道床だという。なるほどこれは地元の人しか分からないな。グッド!
標津線厚床方面の道床が→
標津線厚床方面の道床が→
→道として残っている。
→道として残っている。
さて、温泉である。温泉旅館を兼ねた保養センターに行き、入浴。広くて清潔だ。ナトリウム泉だがぬめりが多い。まずまずである。ご主人は入浴後の運転に自信がないとのことで、風呂には来ずに休憩所でテレビを見ていた。
温泉。
温泉。
風呂のあとは、さらにもう一箇所の標津線遺構に案内してくれるという。お言葉に甘えてついていくと、上武佐(かみむさ)という駅の跡に連れていってくれた。もう線路もホームもなく、道床も藪に覆われ始めているが、駅の雰囲気はかすかに残る。高倉健主演、山田洋次監督の映画のロケ地らしい。まぁ、何もなかったけれど。
上武佐駅跡の看板。
上武佐駅跡の看板。
線路跡。
線路跡。
線路側から駅跡をのぞむ。
線路側から駅跡をのぞむ。
さて、宿へ戻って夕食。鮭のシーズンが始まったとのことで、今年最初の鮭が出た。そしてラム肉炒め。これがうまかった。あとはジャガイモ、行者にんにく、煮物、なす、お浸しエトセトラ。ご飯のおかわりができないほど、おかずを食べた。満足満足。
夕食。
夕食。
湯気をたてるラム。うまかった!
湯気をたてるラム。うまかった!
その後多少ご主人と話をした。北海道の中でも、中標津のあたりは人口密度が低いのが誇りだそうな。「十勝地方は人口密度が高すぎていけませんね。こっちは1平方キロメートルあたり10人ですよ。1ヘクタールの地価が70万円です」と誇らしげだ。確かに、北海道の高域地図を見てもこの辺の何もなさは特筆すべきものだ。昨日走り回った距離には何もなかったけど、その範囲に山手線ぐらい楽に入るものね。

明日は知床へ向かう。降らないうちに移動できるといいなぁ。ぐぅ。

Home 次へ→


SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

Valid HTML 4.0! Valid CSS! Powered by Apache Powered by Mod perl