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目次
8/28 東京→中標津 (航空機+21km)
8/29 中標津〜知床 95km
8/30 知床断崖シーカヤック (カヤック+8km)
8/31 知床の秘湖へ!
9/1 知床〜興部 輪行+87km
9/2 興部〜猿払 146km
9/3 猿払〜稚内空港〜東京 (52km+航空機)

8/30 知床断崖シーカヤック

朝起きるとなんとなくだるい。ま、前日あれだけ走ればあたりまえかもしれないが。簡単な朝食を食べ、8時半に集合して待望のシーカヤックツアーの始まりだ。知床は観光船やクルーザーで海上から景観や野生動物を観察するのが人気で、ウトロから船が出ている。だが、私に言わせればそんなのは邪道だ。自転車もそうだが、自分の力で自然の中に出ていかないと。結局内燃機関で石油を燃やしまくって観光してる人は、自然に溶け込んで楽しむことなんてできないと思うんだよな(←世間の大半を敵にまわす発言)。ましてや環境保護を叫ぶ権利なんてないだろう。なんちて。

それはともかく。今日の参加者は神戸から21年ぶりにバイクでやってきたお父さんと、香川から青春18きっぷでやってきた大学3年生(就職活動より旅行を優先してしまったらしい(笑))と私の3人。建物の外に出ると、霧がだいぶ深い。なんというかこれは厳しいな。クルーザータイプの観光船は欠航しそうだとか。ガイドのお兄さんといっしょに出発だ。この人、腕が異常にムキムキで、
「いや、シーカヤックは初心者でも大丈夫ですよ。」
とおっしゃるのだが、その太い腕で言われても微妙に説得力がないのが、まぁなんというか。
朝のユースホステル。
朝のユースホステル。
<s>ブルーサンダー号エース</s>いすゞエルフで出発!
ブルーサンダー号エースいすゞエルフで出発!
 さて、みんなでいすゞエルフに乗り込みスタートである。トラックに乗るのなんて久しぶりだなぁ。これだけでもなかなか楽しい。車道までダートなので、いきなり衝撃が突き上げる。あはは、板バネはやっぱ激しいなー。さて、トラックは自然センターまで順調に走っていく。霧はあっという間に濃くなり、視界も数十メートルぐらいに。
霧濃いなぁ…
霧濃いなぁ…
そこからウトロの町に降りると、霧も多少は晴れた。まずはウェアや靴が置いてある、キャンプ場や温泉のあるところへ。これはダートの急坂なのだが、トラックだと激しい。時速5kmぐらいでガタピシと。なんか楽しくなって笑っちゃうのだ。以前レンタカーでここまで来たことがあるんだけど、そのときは別に大してゆれなかった。サスペンション、偉大である。

着替えたがここから出発ではない。またガタピシと下り、海岸へ。カヤックを出して説明を受け、浮かべてこぎ始める。おお、進む進む。今日の舟は2人乗り。私はじゃんけんに勝ったので、ガイドさんといっしょの舟だ。おかげで私がこいで進んでいるのか、彼のおかげで進んでいるのか分からない。しかし海きれいだなぁ。青緑色の海の底まで透き通って見えるよ。オホーツク海は富栄養だから、プランクトンが多くて大した透明度はないのだけれど、それにしてもなかなかのものだ。
さぁ、行こう。
さぁ、行こう。
霧の海へ!
霧の海へ!
とかいっているうちに沖合いへ出てきた。て、あの、霧で何にも見えないんですけど!周囲360度真っ白だー。これが本当の五里霧中ってな。えへ。
うお何も見えねぇ〜!!(汗
うお何も見えねぇ〜!!(汗
って現実から逃げてる場合じゃない。後続の二隻を見ると、波にゆられてどこか別のところへ行こうとしている。あっちは初心者二人だしな。船頭なんたらで舟、山に登る、なんちてな。えへ。

…いかん、また現実から逃げてしまった。いや、これは本当にまずいんじゃないでしょうか。ガイドさんも多少焦って声をかけ続けている。しかししばらくこぎ続けると、霧の向こうに岸が見えてどうにか助かったのだった。ここからは岸に沿っていく。
岸が見えた。
岸が見えた。
知床は火山性の大地で、切り立った巨大な溶岩がずっと続く奇勝だ。とてもカメラのファインダーになど収まりきらないようなスケールの大展望がずっと続く。これはすごい。崖の高さは80〜100m。見上げると首が痛くなりそうなほど。新宿の高層ビルみたいな高さのものを、舟から見上げている。
写真ではスケールが分からない。
写真ではスケールが分からない。
巨岩をまわりこむ。
巨岩をまわりこむ。
たまに、その隙間から地下水が滝になって流れ落ちて、豪快なしぶきをあげている。岩には海鳥たちが。ウミウがたくさん、海面ぎりぎりで波を立てながら飛んでいく。これは海面の近くで羽ばたくことで、海に空気を叩きつけて反作用を利用し、楽に離水してるんだそうな。そしてワシのつがいが悠々と舞って、カモメの巣を襲おうとしている。それを果敢に追い払うカモメ。海面下を見れば、小魚の群れが通りすぎたり、それを追ってきたマスが水面から跳躍したりと、自然の営みがまさに眼前で繰り広げられる。こーれは楽しい。すごい。
Nice Boat.
Nice Boat.
湯の花の滝。
湯の花の滝。
目的地の湯の花の滝は、やはり断崖から豪快に水が落ちている。すると、ガイドさんが舟を滝の真下まで近づけてくれた。もろに水がぶっかかる。何もかも水浸しだ。でも自然と大笑い。舟は滝つぼに巻き込まれるぎりぎりのところで、水の流れに沿って海へと出ていく。まぁ、そこがガイドさんのスーパーテクなのだろう。今日は結局4回も水浴びをして(寒いよ)、また漕いで帰った。
滝に接近する。
滝に接近する。
吶喊!!
吶喊!!
ガイドさんは昔、自転車で北海道をまわっていて、そのあとこっちへ来て仕事をしてるんだとか。ツーリングねたで盛り上がりつつ、漕ぎつづけた。しかしまあ、最後まで霧が晴れることはなかったのがちょっと残念だった。最後はずっと小雨だったが、もはや気にはならなかった。雨の中はもう3日目ですもの。
ひとり見上げる。
ひとり見上げる。
帰りは岸に沿って漕ぐ。
帰りは岸に沿って漕ぐ。
ただ圧倒されるばかり。
ただ圧倒されるばかり。
フレペの滝。高すぎて上が見えない。
フレペの滝。高すぎて上が見えない。
巨岩の割れ目に入ってみる。
巨岩の割れ目に入ってみる。
岸にあがると、急に空腹が押し寄せてきた。エルフに乗り、また例によってガタガタとダートを往復したあとウトロのコンビニへ。お錘…ってほんとこのIME馬鹿だなぁ、もとい大盛り豚丼とカップヌードル、あとクレープを買ってユースへ。食堂で一同むさぼり食う。

地の果ての露天風呂へ

まだ昼飯どき、これから夕方まで時間がある。私は自転車を出して、「ホテル地の涯(はて)」の横にある露天風呂に入りに行くことにした。知床とは、アイヌ語で「地の果て」を意味する。それにちなんだ名前なのだ。
こっち見んな!
こっち見んな!
岩尾別川に沿って。
岩尾別川に沿って。
道は軽い登りで、明るい白樺の森に囲まれている。横には岩尾別川の流れ。鹿がたくさんいて、親子や家族みたいなのもちらほら。この自然は素晴らしい。たぶん熊もそこらにいるんだろうが、今日は出逢わずに済んだ。道は途中から急坂に変わり、全行程4kmでえっちらおっちらと温泉に着いた。最後はもう汗だく。やっと着いたぜ。
明るい森。
明るい森。
でも孤独な道。
でも孤独な道。
邑「みんな、抱きしめて!ホテル地の、涯(はて)まで!」
α「だ、誰だあのキチガイ?」
β「ご存知、ないのですか!? 彼こそ、重い折り畳み自転車で全国の峠を駆け上がっている超☆時空☆サイクリスト、邑ちゃんです!
邑「キラッ☆」
γ「ヤック、デカルチャー…」

…少し頭、冷やそうか。

露天風呂は駐車場から少し降りたところに3段になっており、脱衣所も何もない(すのこがあるくらい)。お湯がくぼんだ所に流れ込んで、そこに入る。温泉成分で岩は白くなっていた。温度は適温、まわりは緑あふれる森。うるさい虫もここにはいない。うーん、いいね。皆さんにもおすすめです。しかし女性は水着かバスタオルを持参しないと、誰か来たときちょっとアレかもしれないのでご注意。
斜面に沿った素敵な露天風呂。
斜面に沿った素敵な露天風呂。
最高!
最高!
帰りはずっと下り。いやっほーい。途中で、いっしょにカヤックに行った大学生の彼がとぼとぼ歩いてくるのに会ったが、止まれず一瞬で通過してしまった。あとから聞くと、彼は結局いつまで歩いても温泉にたどり着かないので、直前で気づかずに引き返してしまったとのこと。なんて惜しいことを!というか、私が止まって「あとちょっとだよ」って言えばよかったなぁ。悪いことをしたなぁ。

ホテルに戻ったら、まだ14時半くらいだった。でももはや何もする気が起きず、ビールを飲んで夕方まで熟睡。

明日は、羅臼湖、知床五湖、カムイワッカの滝とずっとハイキングをする予定だ。楽しみだ!

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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