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目次
はじめに〜札幌脱出
雨竜→上川
大雪山の紅葉
オホーツクへ
サロマ湖→網走
網走→知床
試される大地、知床
ノサップへラストスパート
帰路、総括

9/23 休息日

小雨が降っている。国後島も霞んで見えない。ここは最寄りの伊茶仁の集落から2km, 標津(しべつ)の市街からは5km以上。歩いて何かするには遠いので、朝飯(これも美味かった)後に二度寝し、あとは海の音を聞きながら、ゴロゴロと漫画読んだり、普段忙しくて見られないムービーを消化したり(PDAで見られるんだな)。
朝食
朝食
今日は雨だ。しかし外に出ても何もないな。
今日は雨だ。しかし外に出ても何もないな。
ツーリングの途中には、こういう何もしない日があるのも悪くない。ぜいたくな休日。昼は海老とホタテのピザ(具とチーズが大量)と、サラダ、マ力ロ二、アメリ力ンドック、ゼリーと野菜ジュースで880円。私が腹いっぱいになるんだから量も多いが美味い。店をー歩出た瞬間1km四方に人家が数軒しかないこの最果ての地にありながら、よく安さと美味さ、センスを両立させてやっていけるもんだ。確かにけっこう客は入っている。ただ者じゃない。

夕飯後に、この店では有名らしいフルーツパフェ(580円)を食ベる。500mlのPYREXの容器に倍ぐらいアイスやフルーツが盛られて出てきた。い…1Lでスか。ま…まぁ、18歳の頃はプリンスホテルのケーキを4個ホールで、とか、名古屋の喫茶マウンテンの苺クリームスパを5分で完食、とか、マキシム・ド・パリのケーキを7000円分、とかアホみたいに大量に食えたはずの甘党の私なので、…いける力ナ?

フルーツパフェ。サイズ比較用のタバコもちゃんと用意した。
フルーツパフェ。サイズ比較用のタバコもちゃんと用意した。
食いながら横を見ると、誕生日のお客さんにさらに倍ぐらいの抹茶アイスのパフェが花火つきで出てきていた。すげえ。夏休み中に誕生日がある人は行ってみるといいんじゃないだろうか。

誕生日アイス。後ろのタバスコと比べてみて欲しい。
誕生日アイス。後ろのタバスコと比べてみて欲しい。
600mlを越えたところでそろそろ血糖値が上がってきたので、本気を出すことに。残りをさっさと腹に入れて完食。コツは、上に乗っているフルーツをあらかじめどけておき、後半のアイスばかりの部分でうまく合わせながら食べることだ。
厨房で「あれってタ飯後にも食べられるものだったのね」という声があとから聞こえてちょっと得意な私。明日はこの工ネルギーで一気に最終目的地の根室、納沙布(ノサップ)岬を目指す。

9/24 標津→根室→ノサップ岬 118km

9日目。青:15km/h→赤40km/hに対応します。
9日目。青:15km/h→赤40km/hに対応します。
今日はとうとうツーリング最終日。標津を発って一気に120km走り、旅の最終目的地である、日本最東端の納沙布(ノサップ)岬を目指す。標津からしばらくはさしたるアップダウンもなく、1〜2mの弱い追い風だったので順調に飛ばしていく。
尾岱沼(おだいとう)近くの名もなき沼。
尾岱沼(おだいとう)近くの名もなき沼。
道沿いには予想通り何もなく、ただGPSに表示される残り距離だけが順調に減っていく。標津を抜け別海(ベっかい)町に入ると、道は牧場の中でアップダウンを繰り返すようになった。この、インターバルトレー二ングみたいに続くアップダウンってのが一番嫌いだ。登り切る→下る→惰性で登るけど足りない→登り切る を続けるってことは、結局私は1分おきぐらいにひーひー言って登ってるだけなわけだ。

パイロットファームって知ってる?
パイロットファームって知ってる?
そして道は続く。
そして道は続く。
別海を過ぎて、美しい鏡のような湖を横目に、厚床(あっとこ)の市街へ入った。ここはそういえば、昔標津線が根室本線から分岐していた駅である。今となってはバス会社の職員が駅舎で仕事をしており、草むしたホームにも記念碑が立つのみ。当然人影はない。
厚床駅。
厚床駅。
厚床駅ホーム。昔は標津線への乗り換えでにぎわったとか。
厚床駅ホーム。昔は標津線への乗り換えでにぎわったとか。
ホームに記念碑が。
ホームに記念碑が。
現在11時過ぎ。すでに120km中の70kmは走破している。まずは根室市街まで30kmだ。牧場と荒地は延々と続き、再び大型トラックの交通量も増え、無駄なアップダウンの繰り返しが私の体力を奪っていく。あと50kmでもう全部終わりだからつきあうさ、でも、だけど自転車ではもう二度と来ないぞ。

「あーもう!」と何度つぶやきながら登坂したことだろう、根室の駅に13時前に到着。写真を撮ろうとしたらデジ力メのサーボモータから異音が。ピントが合わない。あとちょっとなんだから頑張ってくれ、そう願ってON/OFFをくり返すとどうにか復活した。
根室駅に着いたー!
根室駅に着いたー!
根室駅前。カニの直売所と交番とお土産屋とバス停がある。
根室駅前。カニの直売所と交番とお土産屋とバス停がある。
時刻表をざっと見てからすぐに自転車にまたがり、納沙布岬へ。この道も変わらず、とにかく上り下りを繰り返す。そして「何も無さ」は極まりを見せてくる(この道は北側ルート。南側の太平洋側には多少集落もあるのだが)。もう360度ほとんど地平線/水平線である。
今までの景色と違うのは、木が潮風にやられて低いことぐらい。
今までの景色と違うのは、木が潮風にやられて低いことぐらい。
残りの距離は少ない。さっきみたいにいらついても詮ないこと、と地蔵のように落ち着いて登坂する私。残り12kmぐらいのところで、GPSの指す先に白い塔が見えた。よく見ると先が明滅している。おお、あれが納沙布岬の灯台に違いない。しかし12km先から灯台自体が見えるなんて大したもんだなぁ。
しかし走っても走ってもなかなか灯台は近くならず、やっと500mまで来たときにはそびえるような大きさになっていた。瀕死のカメラを無理矢理起動させて自転車とパチリ。そして近づいていくと…!!

「平和の塔」

…こ、これ灯台じゃないじゃんっ。くそ、騙された!
偽・納沙布岬。ここでデジカメが死にました。
偽・納沙布岬。ここでデジカメが死にました。
しばらく行くと奥へ入る道があり、本物の納沙布岬灯台が見えた。うわ、小っちゃい。贋物の平和の塔の方が余程それらしいじゃないか。とはいえせっかく着いたんだから記念撮影、とカメラを取り出すと…あ、あら?起動しない…

…_| ̄|○

なんで肝心のときに、目的地に着いた瞬間に死にやがりますかね。くそー。仕方ないので電池残量が瀕死の携帯で記念撮影。
納沙布岬
納沙布岬
最東端だ!
最東端だ!

さて、この納沙布岬にもライダーハウスがあるのだ。日本でもここより東には数軒しか家がないところにある食堂、「鈴木食堂」に併設されている。「入れますかー?」と訊くと、出てきたお兄さんが愛想よく
「入れますけど寝られません」
とか
「お、それは体重制限があって70kg以上の人が乗っちゃいけないPeugeotのチャリだねぇ(←そんなことありません)」
とか変なことばかりいう。夕飯は16:30〜17:00までに食ベるよう言われ(早っ)、今が旬の生さんま丼(花咲ガ二の鉄砲汁つき)を食べた。さすがに旨い。晩酌もつけて幸せな気分に。ま、ここまで120km走ってきた甲斐もあるもんだ。 ここは日本の最東端、最も早く日が昇り、最も早く夜が来る場所だ。17:30を過ぎると真っ暗になったので、布団を敷いてもう寝る準備。明日は朝日を見たいので朝の5時起きだ。運動して旨いもの食べて、早寝早起き。なんて健康生活。普段じゃ絶対あり得ない(笑)

まあともあれ(パンクしたり熊に会ったりしたけども)無事にここまで辿りつけて本当によかったよ。

…夜。隣の人(先月自転車で、今月はCBR1100XXで来たらしい)のいびきがうるさくて眠れない。横でひたすら豚が鳴いてるような感じって言えばいいのか。とてもじゃない。叩き起こして「今すぐその最速の1100ccで病院に行って来い!」とか言いたい気を抑えつつ、寝袋の方向を(足と頭を)逆転して耳を遠ざけ、ティッシュで耳栓を作り、ウィンドブレーカーを頭からかぶってみるが、まだ聞こえてくる。あーもうっ。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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