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目次
はじめに〜札幌脱出
雨竜→上川
大雪山の紅葉
オホーツクへ
サロマ湖→網走
網走→知床
試される大地、知床
ノサップへラストスパート
帰路、総括

9/25 ノサップ岬→根室…→釧路

10日目。青:15km/h→赤40km/hに対応します。
10日目。青:15km/h→赤40km/hに対応します。
朝4:50起床。納沙布は日の出が5:03で、全国一早いのだ。っていうか最東端だから当たり前か。東の空は雲が出ていたが、空の色が刻一刻と変わっていく様はなかなか見ていて美しい。
それなのに会う人会う人「今日は曇で残念ですねぇ」と挨拶するものだから、私の感概も台無しである。15回ぐらい言われたよ。 朝は昨日と同じ食堂でカニ丼。朝から花咲ガニである。卵とじになっている。力ニの肉は噛むとじわっと濃厚な味が出てきてびっくり。これがカニって物なんスか。こんなん食べたことないっス。

さて、あとは根室へ戻って鉄道で新千歳へ出るだけだ。ほんとはこの辺に夜までいてもいいんだけど、「正直原野はもう飽きた」のでー。いやマジな話。なのでこの辺随一の都会、釧路へ行って幸せな休日を過ごそうじゃありませんか。
まず荷物が多いと幸せになれないので、大きなサイクリングバッグはセイコーマート(現地のコンビニ)から全部クロネコヤマトで東京へ。身軽になって根室11:05発の快速(キハ54単行)で釧路を目指す。huck氏から事前に「根室〜釧路の太平洋側の車窓は、一見の価値がある」との情報を聞いていた私は、太平洋側の窓側にいそいそと座って外を見ていたのだが…

…変わらねぇ。ここ数日間延々と見てた風景とちっとも変わりませんよ先生。基本的に牧場と荒地と湿原じゃない。こんな風景もういいよ、とか言ってる私は贅沢者ですかね?(笑)

釧路は街としての密度が低いとはいえ、このあたりで最大の都市。駅前でさっと自転車を展開しまずは腹ごしらえに向かう。目指すは甘味の有名店「六花亭(ろっかてい)」。クッキーでレーズンの入ったクリームをサンドイッチしたようなお土産(マルセイバターサンド)で有名な六花亭だが、もとは帯広のお店である。ここ釧路にも支店があり、土産物とは違うメニューがいろいろある。駅から3km強、釧路湿原の手前にあるガラス張りの清潔感溢れるお店に入り、ハムとチーズのピセッタとコーヒー、サクサクパイを注文した。 計515円、安い。しかもコーヒーはお代わり自由だ。サクサクパイは賞味期間30分という鮮度が命の、名物らしい。両者もコーヒーによく合い、美味かった。他にメニューとしてあったワッフルやチーズケーキも大変美味しそうで、是非トライしたかったのだが、パイで血糖値が跳ね上がってしまったので断念。店内でゆったりとした時間を過ごす。ふふ。幸せな休日。

さて、街へ来たらあとは本屋に行かねば。数日ごとに本屋に行かないと辛い私としては、旭川・網走と都市を通るたびに本屋に寄っては無駄に荷物を増やしていたのだが、網走を過ぎてこのかたずーっと原野だったので全く行けず枯渇していたのだ。駅前には大した本屋はない。こういうときは郊外のショッピングセンターに行くに限る。釧路のJuscoは、100km以上手前から国道に「○○○km先 Jusco」と看板が出ているほどの一大ショッピングセンターだ(っていうかそれだけのスケールで何もないことにもびっくりさ)。行ってみると確かにアホみたいに大きい。お台場のパレットタウンがいくつ入るんだろう、っていうくらいに。書店も満足のいく大きさで、しばらくぶらついて新刊等を数冊買った。

さて、最後の幸せは風呂。3kmぐらいぶらっと走って釧路健康ランドへ。浴室はとても塩素臭く、なんだかなぁと思ったが、ここ3日風呂に入ってない上に最後に入ったのが五右衛門風呂、髭も伸びっぱなしとかいう旅人モードで東京へ帰るのはアレなので、ここで都会モードに切りかえておく。念入りに体を洗って髭を剃ってさっぱり。あとは夜行の札幌ゆき「まりも」が出る23:00まで、ゆっくりくつろごう。

ゆっくり漫画を読みふけったあと、生ラム焼き定食を食べながら外を見る。街の明かり。街灯と車のライトを見ていると心が安らぐ。やっぱり、人が生きている街はいい。北海道まで来て結局それかよって?まったく。ねぇ。(苦笑)

総括

今回のアップダウン。
今回のアップダウン。
全行程リプレイ(Google Maps) GPSログ(カシミール3D)

夢だったんです、ロングツーリング。今回は本州や沖縄での経験をもとに、かなり念入りに凖備した上で「これなら確実」という装備と知識、日程と金を用意していったので、無謀な点のないツーリングになった。その分ネタには欠けたかな、とか思ってたけど、クマと遭遇したぐらいで今回は勘弁して、ね。
ツーリング用の自転車として、やはりBD-1は申し分なかった。積載力、走りの安定性、航空機で簡単に運ベる機動性。旅行先では必ず「こんな小径じゃ辛いでしょ」と言われるけれど、全然そんなことはない。日本の最東端、最南端、舗装道路の最高点含め21都道府県走った今ならいえる。気がつくと馬鹿みたいに走ったよなあ。地球半周越えちゃったよ。

さて。
北海道には思わず我を忘れるような景色や、爽やかな風や、本当に美味い食材に溢れている。その広さを知り、通り道の観光地化されていない美しい場所を見つけては立ち止まり、旅行のプロセス(≠目的地)を楽しむのに、サイクリングは大変よい手段だ。また通る土地や出会う人との交流によって、観光バスで巡るような旅行では見えない負の側面もよく分かる。産業・雇用の不振、補助金なしでは立ち行かない行政、過疎化。数十年かけてゆっくりと、しかし確実に滅びの道を辿っているこの広〜い島の現実。こうやって旅をすると、どんな地理の教科書や書籍を読むよりも分かる。
けど、でもね。やっぱり800kmも自走するのは少し疲れるな。この旅行が「可能かどうか」には事前から不安はなかったけれど、終わった今「またやりたいか」って訊かれたらそれはNOだ。今度また来るなら走るのは3日で十分。交通手段がオートバイにでも変われば、またそれは違った楽しみ方があるんだろうね。

少し休みに行こう 少し遊びに行こう(元ネタ知らない人はスルーしてくれ)
この「少し」ってのがまぁ、大事なんでしょうな。 今年の夏旅行はそんな感じで終わった。満足満足。さぁ、研究室に戻ろうじゃないか。

P.S.
あ、そうそう。今まではノートパソコン持っていって旅行記書いてたんだけど、今回は軽くするために全部モバイル(PDA)に手書き入力したんですよ〜。意外と書けるもんですねぇ。へへ。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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