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目次
出発
海上
→沖縄
南部一周
首里
遺跡と海上道路
ドライブ
残波岬
波照間島
石垣島
終了

9/17 八重山快走

今日のコース

今日は昼過ぎまで波照間にいようかどうか迷ったのだが、結局朝の1便で石垣に渡ることに決めた。朝、同室の人と自転車で島を一周し、昨日行ってない西側や日本最南端の灯台「波照間灯台」を見た。これで最北端の宗谷岬灯台と最南端に行くことができた。灯台としては小さいが、まわりに障害物がないのでこれで十分なようだ。


波照間の陽は朝から強烈だ。

最南端の灯台、波照間灯台。

宿に戻ってから精算を済ませ、港へ。時間がないときに道に迷ってしまい、ちょっと焦ったが時間通りに着けた。高速船にはマウンテンバイクでツーリングスタイル完全装備の、妙に尊大なオヤジが乗ってきて、他人の進路を遮りまくったあげく自転車に荷物を積載したまんまで3人分くらいの席をとっていた。彼は船のデッキでいちばん波飛沫が当たるところに自転車をそのまま置いていたのでいちおう、「後ろに置いた方がいいですよ」と言っておいたのだが、なんだか適当に無視されたので放っておく。
台風がフィリピンにあるせいなのだろうか。波が高いようだ。港を出たら今日はびっくりするような揺れで、飛沫は3mぐらいまで上がっていた。陽光との関係で波に船が当たり飛沫が飛び散るたびに虹ができていた。風も強くて、もうみんなスカートめくれまくりですよ(ぉぃ。 さっきのオヤジのマウンテンバイクは面白いほど塩水でびっしょりになっていた。あんなに濡れてしまうと、ほっといたらギアがぼろぼろだ。ほれ見たことか。


波照間港全景

拡大すると揺れとしぶきが分かります。

さて港で、けだもと荘で同室だった友人に別れを告げ、石垣一周の一日旅行に出発である。まずは帰りのチケットを確保してからだ。帰りのフェリー(行きと同じ「飛龍」)は朝6:00乗船で、事前にチケットを確保しても当日に窓口で受け取れないのである。朝は窓口が開かないんだよな(笑)。そこで有村産業の事務所であらかじめ買い、ついでに事務所の前にあった販売機で「アミノバリュー」とかいう変なオレンジのスポーツドリンクを買ってみた。これは予備として荷台にくくりつけておこう。
なんといっても海岸線の綺麗そうな西海岸から川平(かびら)湾をまわっていこうと思い、県道79号線を走っていった…つもりだったのだが、実は途中で1本間違えたらしく一回山を越えた。おかげで畑の中をずっと登り、木々の間を降りていくという道を走ることになったが、こっちの方がむしろ楽しかったかもしれない。石垣は波照間と似て空と海と畑でできている島だが、規模が大きく、さらに山と原野とマングローブのある島だ。この際海沿いもいいが、山の中を通る道もいいな。島一周の帰りは海岸線ではなく、島の中央を横切るコースにしよっと。こっちに来てからずっと丘ばかりで、ちゃんと山を走ってないものな。


石垣島の道路

なんか信用できないバス停(笑)



山越え中。

波照間とはまた違う広さの感覚。

川なんて久しぶり。

県道79号線に降りてきた。すげー。

さて、間違った道から県道79号に出た。大きく弧を描く海岸線に沿ったダイナミックな景観の道だ。これを撮って美しい写真にできない人がいたら会いたいぐらいのすごい景色である。しばらくはアップダウンもないのでゆったり走っていると、観光ガイドブックで見かけた「観光パイン園(パイナップル食べ放題)」を見つけた。…が、これのどこがパイン園なんだか分からん。農家の庭先で、どこから入ればいいかすら分からん。しかも誰もいないし。流行ってないのかな、と通過した。


湾。

湾その2。

ヒルギ。マングローブの一種だ。

看板はあるけど人はいない。

ここを過ぎると、川平湾に向けて小さな山を越える。川平湾はヘリポートの建設計画などで話題を巻き起こした美しい珊瑚礁。早く実際この目で見てみたいが、途中のきつい坂道でまた熱射病ぎみになって、そこにまともなパイン園を見つけたので一時休憩とした。


パイン食べ放題。

パイン農園。

ドラゴンフルーツがなっているサボテン。

ドラゴンフルーツ。

まぁ、まともなパイン園といっても、パイン畑の中の家で婆さんが1人飯を食ってるだけだったけどね。しかも食べ放題のコーナーの周りには「ゆうパックでパインを全国発送」と書いたのぼりだの、郵便番号簿だのと、「まさかしこたま食うだけでは帰らないよねー? ここからお土産ギフト送ってから帰るよねー?」的なオーラが渦巻いていたわけだが、あえてそれは見なかったことにした。頼むと切って冷やしたパイナップルが大皿いっぱいに出てきた。甘くておいしい。食っていると婆さんが「ドラゴンフルーツ食べるかい」と言ってきたので、「どうも、いただきます」と答えた。ドラゴンフルーツはサボテンの実で、赤黄緑のすごい色をしている。中身はしゃりっとしてやわらかく、小さな種が入ってほのかに甘い。水を頼んだらポカリスエットの瓶に入って冷やされた水が出てきた。水を飲みながら出された分は全部食べた。パイナップルを食べるうちに舌の表面が痛くなってくるのは、パイナップルのもつ消化酵素に舌自体がやられてるからなんだろうか?
風がよく通る沖縄独特の建物の中で、気温こそ30度を越えているが心地よい。日が一番高い時間帯を避けるためにもう少し時間をつぶそう、と机上にあった雑誌に手をのばしたら、90年代前半のマガジンだった。時間止まってるなぁ、この島は。

会計をしたら、婆さん微笑んで曰く
「あれ全部食べたのかい」
パイナップル3つ分だったらしい。さらに曰く
「ドラゴンフルーツは300円だけどサービスしとくね」
サービスしてもらうの自体は嬉しいんだが、なんか微妙に商魂を感じる言い方だ(笑)
そういえばけだもと荘では星空観測タワーへ何も言わず当然のように車で送っておいて宿泊代にはちゃんと送迎費500円が加算されてたしなー。明瞭会計でお願いしたいところなんだがなー…
この家で飼っているというコウモリ(ヤエヤマオオコウモリとかそういうやつかな?)を見せてもらってから出発。果樹園に飼われてれば問題ないな。昼間からぼりぼりと何かの芯をかじっていた。


こうもり

川平湾!

果樹園を出てほどなく峠を越え川平湾へと降りていったのだが、走っていっても所々からしか湾は見えない。微妙に内陸の山側を走っている。海は申し分なく美しい。ちなみに遊泳は禁止。石垣に着いてからここまで走ってきたが、一人も泳いでいる人を見かけていない。川平湾はグラスボートという底の透けた船で見学することになっている。これは流れが速いから配慮してるのか、それとも観光産業を振興するためにグラスボートに乗らざるを得ないようにし向けてるのか。そんなことを思って高台からグラスボートを見下ろしていたら、タクシーの運転手が記念写真を撮ってくれた。ま、それは嬉しいんだが。
…考えてみれば、私は自転車だから自由に走ってるけど、石垣のバス路線って極っ端に少ないのよね。左回り1日1本、右回り同じく1本、他のルートも各1往復ずつ、港の周辺はそれなり、ぐらいしかない。バス停を通るごとに「ここでパンクしたら大変だ」と思う。
で、タクシーとレンタカーはやっぱり多い。さっきから私を抜いていく車もタクシーが数割だ。これも島をあげての金儲けなんだろうか。島の人は自分の車に乗っておいて、公共交通機関は小中学生に支障がない程度にしておけば観光客はタクシーかレンタカーを使うしかなくなるもんな。私みたいに金も免許もない人間だと、ほんと自転車でもなきゃ周れんよ、この島。
沖縄本島の事情はというと、バスはそれなりに走っている。ただ極端にマイカー志向なので、ほとんど誰も乗っていない。バス停では手をあげても止まらないこともあるし、手をあげなければまず通過する(会社によっては都会風にしようと教育しているらしいけど)。自治体の補助を受けてどうにか運営している、というのが実状のようだ。

川平湾もきれいだけれど、山の中をアップダウンしながら走っているという気分が気に入った。沖縄本島は丘は多くても山は北部にしかない。そのせいで亜熱帯の山を走るという楽しみが足りないと思っていたのだ。石垣は幸い島が山がちになっており、山を縦断していく道もある。そうだ、シーサイドはここら辺にして山に入ってしまうか。次の富野という集落から入れるようだ。
…と、その前の米原(よねはら)という集落には島有数の観光地、「ヤエヤマヤシの群落」なるものが。道からちょっと入って300mほど登ったところにあった。ひと通り歩いてみたけどさー、ヤシが生えてるだけですね。天然のヤシの群落ってのもそれはそれで貴重なのかもしれないし、東京からいきなり石垣に飛行機で来た人には面白いかもしれないけど、こちとらもうヤシなんて十分見たわい。(苦笑)


山中を抜ける道。

内陸へ入っていく。

於茂登トンネル

サミットを越えて盆地へ下る。

底原ダム。灌漑用ダムである。

ダム湖。

富野からその山がちなルートに入ってみたはいいのだが、けっこう大型トラックが通っている。考えてみれば島を縦断する近道だから、島の北部から港へ行くトラックはみんなここを通るわけか。ちょっと残念。まぁ1分に1台くらいトラックが来るからって交通量が多いとか言ってる時点で私もこっちのペースになってきたもんだ。ちなみに普段走ってる道は環八と青梅街道。
途中に長さ1.1kmのトンネルがあり、そこは狭い路側帯をのろのろと抜けた。サイドバッグをつけたまま肩幅程度の路側帯をまっすぐ走るのはあまり楽しくないもんやね。
その後は、予想に反して雄大に広がった畑地へ降りていく道だった。灌漑のために作った大きなダムの側を通過したあたりでスポーツドリンクが切れたので、予備に用意しておいたアミノバリューなる赤いボトルを開けた。一瞬口に含んで吐き出しそうになった。うわまずっ。どう調合するとこんな、体が拒絶するような刺激的な味になるんだ大塚○薬さんよー?。というか、ポカリスエットを単なる薬品の調合物から飲めるものにするのに長年の苦労を要したとか自慢していた大塚製薬がどうしてこんなにマズいものを世に出してるんだ(笑)。ただイソロイシンとバリンとアルギニンと砂糖を混ぜるだけだってこんなに変な味にはならんのじゃないか?(^^;
…といいつつしばらく走っていたら山中に自販機発見。変なところにあるなぁ。故障していないかなぁ。でもアミノバリューに頼らなくていいなら…と、金を入れてボタンを押してみたら、さんぴん茶しか出ませんでした(ぉ。売り切れランプは一個もついてないのに、コカコーラやアクエリアスは出ないでさんぴん茶だけ出るのはなぜ? 沖縄だからなのね。そうなのね。
さっさとボトルの中身をさんぴん茶に移しかえればいいのに、勿体ないとアミノバリューを一気飲みしたら、体が拒絶反応をして吐き出してしまった。貧乏人は辛いな。
そのあともずっと畑地だった。石垣の市街地はもともとちょっとしかないので、市街地ギリギリまで田舎の風景が続く。途中の空き地にミバエ根絶の記念碑が立っていたのが印象的だった。生物をやった人なら知っているかもしれないが、かつてこの地域の害虫であったミバエを殲滅するための新しい方法として農薬を使わずに、人工飼育して不妊治療をしたミバエを数億匹にわたって放したのだ。おかげでミバエは交尾の成功率が下がり、だんだんに数を減らしたあげく八重山からいなくなったというわけ。被害がなくなって本当に嬉しかったのだろう。


山中の大きな橋。
上り坂でしかも日射しから逃げられない。

ミバエ根絶の碑

まだまだ畑地は続く。

9/17-18 時間つぶしと地獄の船旅

さて、市街地に戻ってきてしまった。現在16時。那覇新港行きのフェリーが出るのは明日の6時。それまで14時間、どうにかしてつぶさなくては。まずは町のマンガ喫茶の位置を確認し、その後市場と商店街へ。ぶらーっと眺めると確かにここは沖縄地方だなと感じるが、まぁそれほどのことでもないや。
その後土産物屋へ。波照間の宿で話題になっていた、八重泉という泡盛を試飲してみる。(ちなみに波照間には泡波という伝説の泡盛があって、みのる荘やたましろ荘に泊まったり港の食堂に行くと飲めたりするのだが)。やっぱ泡盛はストレートで飲むと強いっすな。アルコールしか感じられんかったよ(笑)。その後ちょっと試食したちんすこうの味を確かめようとしたら、アルコールが鼻に抜けてだいぶ刺激的だったし。

そのあと工房海人(うみんちゅ)というところに行ってぶらぶらいろいろ見ていた。そこにも泡盛試飲し放題みたいなところはあったけれど、もういいや。
適当に時間をつぶしたあと、アメリカのファーストフードチェーン、A&Wに入った。おーるいんわんだー(じゃないよ)。11時まで営業っていうけど。とりあえずここで時間をつぶそう。ルートビア飲み放題ということで、適当におかわりしながら宮本輝の「葡萄と郷愁」を読んだりこの日記を書いたりしていた。ルートビアも微妙、っていうかマズい飲み物よね(笑)。 でもアミノバリューほど体が拒絶する飲み物でもないので、何度かおかわりして9時頃まで時間をつぶした。あれをおいしいとか思えるアメリカ人は幸せだ。まったく。


A&Wのメニュー。右のがルートビア。

夜9時になってA&Wを出て、フェリーターミナルの方まで流してみる。港と市街中心部は少し離れているので、港まで行ってしまうとかなり暗い。ターミナル前では一人、体育座りをして寝ようとしている青年が。今からその態勢じゃきついだろう。彼の隣には袋入りのランドナーがあった。彼もまた、自転車旅行野郎なんだな。
私はまだ時間をつぶすつもりだったので、さっき場所を確認しておいた漫画喫茶へ行った。ここは東京から週刊誌が直送されてくるのが売りらしい。沖縄本島でも5日くらい遅れる週刊誌の発売、石垣島ではいったい標準で何日遅れることやら。
漫画喫茶というものに入るのは初めてだったのだが、ここの品揃えはひどいな。よくある地方都市のビデオレンタル屋の雰囲気だ。読むもんは…80年くらいの高橋留美子の短篇集となつきクライシスぐらいしかねぇ(笑)。新しいものはほとんどなし。しかたないので、それで閉店の1時まで時間をつぶした。

フェリーターミナルが開くのが5時過ぎ、それまで4時間ある。それまで時間でもつぶすか。体力も回復したので、こんどは東側の国道390号線をちょっと走ってみることにする。ツーリングマップルに書いてあった宮良のヒルギ群落(マングローブ)まで往復20kmちょっとだから、夜のサイクリングにはちょうどいいところだろう。しばらく、というか意外と長く街灯がある。東側はそれなりに都市部への通勤圏なんだろうか。とはいえ、道から一歩逸れればそこは暗闇。目が慣れなければ道なのか海なのかさえ分からない。しばらくすると集落を抜け、暗い中を下り始めた。ここら辺で暗いというのは本当に真っ暗なわけで、ライトを頼りに下っていく。しかしあんまり面白くないなぁ。さっさとヒルギ群落まで行って帰ろうか。
2つばかり集落を通ったあと、暗い中の橋2つ目でどうやら周囲がマングローブであると気付き、自転車を止めて見学する。まぁ数mしか視界がないので、「あー本当だー」とヒルギの存在を確認することしかできなかったけれど。
こんな時間でも2分に1台くらいはタクシーが通っていった。自転車を止めたあたりから横道の農道に入ってみると、星がそれなりによく見えた。周りに誰〜もいないのがちょっと怖いが、それでもいい気分。というか、誰もいないより「誰かいるかもしれない」の方が怖いよね(笑)。
さて、そろそろ港まで戻るか。ここまでは大きな坂もなかったのですいすいと帰れる。昼は40度を軽く越えるこの島だが、夜は20度台まで下がり走っていて心地良い。集落と集落の間、牧場と思われる登り坂の所で目の前を2つの緑の点がふらっと通り過ぎた。蛍だ。公道なんかで蛍を見たのは初めてだ。帰りはバイパスを走り港へ。
さっきの体育座り少年以外に、公園に数人の若者がいて、携帯やゲームボーイをいじりながらターミナルが開くのを待っていた。私は駐車場の真ん中で(周辺だとデカい蚊がいるから)パソコンを広げ、この日記を書いていた。ここも暗くて星がけっこう見える。
2時間ぐらいして、ターミナルが開いた。さっきの体育座り少年は青森からずっと自転車で日本を縦断してきたんだそうだ。そういうことをやっている人多いのね。しかも、寝具・テントなしの全て野宿でここまで来たんだそうだ。すげー。2ヶ月で旅費は25万。帰りは飛行機だからそれで5万近く消えるのが痛いとか。

6時に、行きと同じクルーズフェリー飛龍に乗り、さっさとシャワーを浴びて寝た。もう朝だけど。ただ、下段のベッドにいるオヤジに何となく敵意を感じた。2等の寝台個室も悪くはないけど、

雑魚寝の船室や民宿の畳部屋→みんな友達になる
ベッドの個室で数人→互いを敵視してギスギス

となりがちだな。帰りの予定は飛龍21という有村産業のもう1隻の(豪華)客船で東京まで。さすがにもう長時間寝台&ギスギスした関係というのは嫌、かも。

朝起きたら宮古島に着いていた。そのあともうとうとしていたのだが…宮古島を出たあたりから船の揺れが気になってくる。
そういえば一昨日けだもと荘のおばちゃんが「なんか風の具合がおかしいなと思ってたんだけど、台風来てるみたいだよ」と言ってたなぁ。さすがおばちゃん、風が分かるのか。まぁ、波照間は北回帰線のすぐ上なのでそのあたりで偏西風が弱く、普段から風が弱いという話なので、だからこそおばちゃんも風が吹けば分かるのかもしれないが(じゃあ何で島に風力発電機があるの?と聞かれると私も分かりません(^^;)。
あとで台風情報を見たら、船はちょうど台風を追い抜く形で那覇へと向かっていた。私が寝ていたのは船の7階。7階まであるとはさすが一応豪華客船。まぁ、客室は6階と7階にしかないのだが。7階は6階と比べて揺れが強い。海は大時化で、これだけ大きな船でも揺れまくる。まっすぐ歩けない程度に揺れている。酔いをまぎらわそうとして本を読んだりパソコンを立ち上げたりしてみたりしたが、酔いは増すばかり。
上段ベッドから降りようとしたら例の下段のオヤジに「おいお前この足は失礼じゃないのか」とか言われてむっとした。失礼な足で悪かったな。機嫌が悪くなったら酔いもおさまったんだが…やっぱだんだん船酔いで気分が悪くなってきた。部屋のトイレからも同室の誰かが戻して「おェー」といっている声が聞こえてきた。
私も戻しそうになったが、部屋のトイレは誰かがすでに入っていたので共同トイレへ。だが個室はすでに全部閉まっていて、どうやら間に合わなかったらしき子供が洗面器に吐いたらしく、洗面台はヒドい有様に。しかもトイレから出るドアのノブが、その子供の手についたゲロで汚れてゲロまみれですよ先生。ばいおはざーど。
どうにか開いた個室に駆け込んで私も戻した。まぁ、昨日A&Wのハンバーガーを食って以来ここ12時間でカロリーメイト1箱しか食ってなかったから、大して戻すものもなかったんだけれど。
持ってたティッシュでゲロまみれのノブを拭い外へ出たら、食堂で吐きそうになってトイレへ向かう途中間に合わなかったと思われる人の嘔吐物を、船員が掃除していた。阿鼻叫喚ですよまったく。揺れ揺れの7階へはもう戻れないので、6階のロビーで体育座りしてひたすら時が経つのを待った。本は持っているが読むと酔ってしまう。あと9時間(時化のせいで3時間遅れたのだ)、早く経ってくれ。頼むから。
そんな感じで時間の経つのを待つこと6時間、そろそろ揺れがマシになってきたのでカフェテリア(営業してないけど)に移動し、本の続きを読んだり、辛くなると突っ伏して寝たり。同じように苦しそうな人間が周りに数人いて、寝ようにも寝られない辛い時間を過ごしていた。
台風が来ているのなら、残りの日程はキャンセルしよう。本当は島の北部の「ヤンバル」と言われる地域に行って、亜熱帯の林道を走ったりしたかったんだけど、台風が来たならもう無理だな。そうすれば1万円浮くから、それを帰りの船代に足せば飛行機に乗れる。台風通過後の揺れる海で40時間も苦しめられてそれでも名古屋に着くくらいなら、帰りはせめて2時間半の飛行機の方がいいや。沖縄がどのくらい遠いかは行きのフェリーで十分分かったからなー。…というかそもそも帰りのフェリー、飛龍21って台湾から引き返してくる船だから、予約した日より前に、台湾に行く途中で台風に遭遇しているはずだし欠航してしまうんじゃないだろうか?
…まぁいいや。この17時間ですっっごく疲れたからもういいや。22日まで時間つぶして飛行機で帰ろっと。

港に着いたのは23時。疲れた上にこの24時間栄養をとってない(全部戻しちゃった)から、自爆氏家への最後の坂を登れないに違いない。ということで悪いんだが牧港まで自爆氏に車で迎えに来てもらった。よく見ると、サドルのあたりなど錆びまくっている。もう2週間も潮風にさらし続けてるもんな。帰ったら整備してやらんとな。
牧港へ来たついでに、沖縄名物ブルーシールアイスクリームの本店でしか売っていないデラックスメニュー、「ビッグディップアドベンチャー」を注文してみた。これはアイス6つ、ソフトクリーム1つ、コーンフレーク、ウエハースなどが豪華に盛り付けられた特大のアイスクリームパフェで、1200円もする。腹が減っていたのでぱくぱく食って9割方は消費したが、最後で挫折。味はおいしかったと思う(笑)。とにかくいっぱい食べたことしか覚えてないや。


Big Dip Adventure。でかっ。

残りのアイスは持ち帰って、明日の昼飯にしよう。
最後は階段を上がるのもやっとなほど疲れた。ま、断続的とはいえ100km走ってから徹夜で時間つぶして、17時間船酔いして、それから10km走ってアイス6個食べたら誰だって力尽きますよね。おやすみ。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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