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目次
出発
海上
→沖縄
南部一周
首里
遺跡と海上道路
ドライブ
残波岬
波照間島
石垣島
終了

9/16 最南端の波照間(はてるま)島へ

今日のコース

この日の日記、一生懸命書いたんだけど、バッテリー切れでマシンが落ちたときに破損しちゃったんだよな。なんてこった。というわけでここから石垣港のフェリーターミナル前駐車場で書き直してます。

朝起きたら、宮古島に着いたあたりだった。4時過ぎだっただろうか。うとうとしていたら、放送のあとBGMがかかりはじめた。ゴキゲンなロックンロールである。なんでこんな朝早くから音楽が…と思っていると、しばらくして隣の寝台からテープを巻き戻す音がして、また最初から音楽がかかりはじめた。
ほう、犯人は貴様かこのクソ外人。ブチ殺すぞ。自分の目が覚めたからって朝4時から、他人もいる個室でラジカセかけてるんですよこのヒスパニックは。アメリカってそういうことやっても殴られない国なんでしょうかね?

10時になって白砂と青い海が混ざって水色になった石垣港へ到着。風情を楽しむ暇もなく、離島桟橋へ急ぐ。離島航路はフェリー着き場から1kmぐらい離れたところにあり、11時のフェリーまでにそこに行かなければならない。自転車を展開して走っていけば近いのだがそれも面倒なので、えっちらおっちら運んでいた。するとスコールが。しかもズボンに自転車がひっかかってずり落ちそうになるし。なんか人には見せられん格好で桟橋に到着する。ここから波照間島へ渡るのだ。波照間へ行く航路は、1日に高速船が3往復×2隻ある。片方が安栄観光(定員12人)、もう片方が波照間海運(定員80人)。どっちも同じ船なのに、なんで安栄は12人なんだろう(^^;。よく分からんので安全策をとって波照間海運の事務所に行き、切符を買った。「搭乗の放送も出発の放送もありませんので、時間通りに桟橋へ行ってください」と言われた。さすがだ。


石垣港。眩しい!

乗船券発売所。小さな事務所だ。

石垣港離島桟橋

高速船ニューはてるま

高速船のデッキに乗り、風景を楽しむことにする。港を出ると、船はへさきを高く上げるようにして一気に加速していく。まるで加速時にアクセルを踏みすぎたリアドライブの車みたいだ。フェリーの半分の時間しかかからないというだけあって、さすがに速い。時速にして60-70kmぐらい出ているんではないだろうか。その代わりけっこう揺れる。波に乗ってから、波と波の間に突っ込むようにして飛沫を2m以上もはねあげたりするので、海側に座っている人はたまらない。しかし40分後に外洋へ出たとき、それまでの揺れなど問題でないほどのすごい揺れがやってきた。それからの20分は、島にさえぎられないでやってきた波に翻弄されながらもパワーで乗り切っていくという感じで、何かのアトラクションにでも乗っている気分だった。私も含め客は「あはは、こりゃすげー」と呆れたように笑みを浮かべることしかできなかった。


後ろはベンチ、前は座席。

後尾。

波照間が見えてきた。

波照間入港

埠頭。日射し強すぎ。

自転車展開。眩しい。

さて、そんな感じで外洋を20分。平たい珊瑚礁の波照間島が見えてからすぐ、簡単な防波堤の間を通って船は港へ入っていった。小さな港は、強すぎるほどの太陽に照らされて白く輝いていた。今までガイドブックやネットで調べて知っていた民宿の名前が入った車が何台も迎えに入ってきていた。みのる荘、けだもと荘、たましろ荘、星空荘…。とうとう波照間へやってきたんだという感動に満たされた。
私が宿泊するのはけだもと荘。主人が運転する車に荷物だけ載せてもらいに行ったら、
主人(名簿を見て)「あー君が志村だな」
いきなり呼び捨てですか。ま、いいけどさ。
港から民宿へは直接行かず、自転車でぐるっと島を走ってから行くことにした。この島はすごい。空があって、珊瑚礁の海があって、サトウキビ畑が一面に広がっている。それだけ。本当にそれだけしかないのだ。だが、だからこそすばらしい島である。私にはこの魅力を語りつくすことなど無理だ。写真を見て、できれば実際に訪れてみてほしい。そして海に潜ってみてほしい。マジですごいぜ。


空と海とサトウキビ

空と海と牛

島の要、一周道路

緊張感のないヤギ

…とこれでは日記にならないので、陳腐な表現で申し訳ないが続けよう。港から上って島一周道路に出て、ただサトウキビ畑の中をまっすぐに走っていくと、十字路に「←ぶりぶち公園」と書いてあった。ほう。公園ですか。島の中に申し訳程度にある観光地の1つだな。行ってみよう。
ちょっと下りたら森の中にベンチが2つあり、石に「ぶりぶち公園」と書いてあった。あー。…そうですか。確かにそうですねぇ。で、俺にどうしろって言うんだ。突っ込み所に困るなぁ(笑)。しかも公園のベンチまで草むらがあって入れないし。はい次行ってみよう次。


ぶりぶち公園全施設。
奥の石碑に「ぶりぶち公園」って書いてあるぞ。

建設会社。

飛行機雲。

ドラッグレースしちゃ駄目よ。(1280x960)

しばらく行った十字路には、「←シムシゲー(古井戸)」とあった。…これはただの古井戸に決まってる。絶対ただの古井戸があるだけだって。コメントに困るだけだって(^^;。道はダートの下り坂だし。ま、いいよどうせ古井戸だろ?(笑)次行こう次。
次は「←空港2km」と書いてあった。飛行機は今回使わないが、空港がどんなものか見てみよう。畑の間を青い海へゆっくり下りていくと、そこにはどこぞの無人駅もびっくりな建物が。おおお。これはすごい。しかも誰もいなくて、自由に中に入れる。本当に無人駅状態だ。というのも、ここには1日1本、9人乗りのプロペラ機が10時過ぎにやってきて即帰っていくだけなのだ。しかもそれですら満員にはならないらしい。島の中には「航空機に乗ることで島の経済を活性化させよう」という主旨の看板が至るところに立っていた。せっかく空港を作っても人が乗らないで路線が廃止されたんじゃしょうがないもんな。関係者も必死だ。で、10時に飛行機が来たときだけ民宿みのる荘のおじさんが空港職員として仕事をして、そのあと民宿の仕事に帰っていってしまうのだ。だから今は無人というわけだ。なんてこった!(笑)


これが空港の建物です(笑)。着いても交通機関なし。

待合所、時刻表。

空港からの道路。

もー。

空港からこんどは波照間の南端の岬、高那崎へ向かった。波照間島は日本最南端の有人島であり、この岬を過ぎればフィリピンまで有人島はない。日本の領土としては沖ノ鳥島が最南端だが、あれは無人島というかただの環礁だもんね。
島の中は緊張感のない牛やヤギがいる。ほんとに彼らはのーんびりと「めーー」とか鳴いていて、通っても警戒すらしない。たまに目が合ってつい笑ってしまう。
高那崎には数台のレンタサイクルが止まっていた。民宿から客が乗ってきたものだろう。せっかくなので私も自転車と一緒に日本最南端で記念写真を撮ってもらった。とうとうここまで来たんだなぁ。すごいや。
岬は石灰岩が切り立ったもの。環礁が隆起したんだろうか。最南端の碑の横には右翼団体が立てた日の丸の碑があった。沖縄返還に際して日の丸を掲揚しようと頑張ったが、台風ですぐに吹っ飛ばされるので碑にした、と銘文に書いてあった。なるほど。現実的な理由だ。


平原の中に立つ道しるべ。重要だ。

星空観測タワー。
望遠鏡と, MS-DOSが動くコンピュータ
を装備した最新施設さ。

台風で飛ばされないよう
石垣で固定された三角点。

やってきました有人島最南端。
高那崎。

日本最南端。

右側の碑を建てた右翼団体の言い分。

この先はフィリピンだ。

切り立つ崖。

近くには「星空観測タワー」という、島で唯一まともな観光施設がある。ここはあとで、日が暮れてから星を見にくることにしている。ちょっと見たら、子ヤギが背の低い木に引っかかってメーメー鳴いているのを、青年が1人助けていた。なんてのどかなアクシデント。

そろそろ熱射病になりかけてきたので、いったん民宿へ向かう。3kmぐらいでほどなく着いた。少し集落の中で迷ったが、家自体が少ないからどうということもない。学校は小中が合同、運動会はさらに幼稚園も合同なんだそうだ。コンビニはなし。市場経済を島に持ち込むようなものは一切ない。共同売店という店が5軒(かな?)あるのみだ。競争が生じたとたん、島の経済が倒れるのは目に見えてるからね。


ちゃんと止まろうな。誰もいないけど。

集落へ向かう道。

共同売店の一つ。
閉まってるのはお昼寝タイムだからかな?

集落に立つ案内図。

さて、けだもと荘に着いてしばらく休んでから海へ行こうと思い、おばちゃんにシュノーケルを借りられるか聞いたところ「貸し出しはやってないけど、息子のがあるから使っていいよ」とのこと。親切にありがたいと思って待っていたら、おばちゃんが愚痴を言いながら戻ってきた。
おばちゃん「おととい同じこと言う人がいたから貸したんだけど、真水で洗ってないやこれ。ほら、このついてる水なめたらしょっぱいもの。シュノーケルは借りたら真水で洗って返すのが当たり前なんだよう。なのに最近の若い子はこういうの貸してあげても洗いもしないし感謝もしない。だから貸したくないんだよ!…」
などと言いながらいかにも貸したくなさそうに貸してくれた。なんつーか反応に困るので「はぁ、どうも、恐縮です」と借りた。「貸したくないんだよ!」と断言しながら貸すとは(^^
さて、島随一のビーチ、ニシ浜ビーチへ。ニシというのは沖縄の言葉で北をさすようだ。西はペーかな。麻雀だとペーは北よね。もう何が何やら。


けだもと荘前で。

どうよこの海! ねえ。

かげった。

波打ち際の色具合。

それはともかく。ビーチは評判どおりすばらしく美しい。珊瑚が混じっているせいで渚の砂はピンク色で、珊瑚礁の海は水色、外洋は青色。なんとも見事なものだ。水着でとりあえず入ってみたが、水は透明でも中はよく見えない。ピントが合わないからね。
とりあえず浜辺に戻って、シュノーケルをつけて海中を見てみた。おおおっ。なるほど。こうなっていたのですな。海草の林の中を大小の熱帯魚がちらほら。図鑑で見たことはあっても、実際に見たのは初めてだ。シュノーケルに慣れながら沖を目指していくと、海草のエリアを抜けて生きた珊瑚のエリアへ抜けた。珊瑚が生きているところでは、生き物も多い。イソギンチャクだの、クマノミだの、なんとかダイだのなんとかウオだの、50cmもある黒い熱帯魚の大群だの、青い大きなヒトデだの、ウニだの、いかにも海水を吸って出してるだけなナマコだの。いや、海中カメラがないのが残念だ。夢中になって眺めているうちに3時間も経ってしまった。埠頭を出ることには珊瑚礁もなくなり、がくっと水深が下がる。そこを過ぎるとスキューバの領域だ。シュノーケルで行けるところは、主に海草・死んだ珊瑚・生きている珊瑚の3つのエリアだ。意外と死んだ珊瑚も多かったけれど、そういうもんなのかな。まぁ、私としてはこれ以上ないほど面白い体験だった。

宿に戻る途中、「モンパの木」という掘っ建て小屋がある。ここが島唯一の土産物屋だが、島の風土らしく管理人のお婆さんが昼寝すれば閉店、ふだんは日没で閉店というすごい店だ。Tシャツや夜光貝のアクセサリなどを売っていた。私は絵葉書を買ってきた。途中の共同売店で切手を買った。共同売店では豆腐が(沖縄の豆腐)店頭に並んでいて、袋に名前が書いてあった。集落の家ごとに1個ずつ豆腐を売っているのだろう。
宿に戻ってから同室の関西人とすぐに友達になり、別の部屋の滋賀の女の子も一緒に3人で飯を食いにいった。島に食堂自体3,4軒しかないのだが、そのうち夜も営業している「青空食堂」へ。その名の通り海まで見渡せる丘にただ椅子が置いてあり、そこで食べるのだ。ちょうど日暮れどきだったので、刻々と黄昏から宵闇へと変わっていく空を見ながら気分よく食事することができた。鶏と豚のスモークと、刺身キムチ丼というものを食べた。刺身キムチというのは、魚の刺身をキムチの汁にぶち込んだものだった。わざわざキムチ味をつけて食べるほどアレな魚なのか?(笑) ま、おいしかったけどね。
食堂をやっている家の子供と思われるガキ2人がまとわりついてきたので、遊びにつきあうことに。アバレンジャーだの仮面ライダーアギトだのといった本を持っていたが、波照間では放映していないそうだ。石垣の映画館へ連れていってもらって、劇場版を見ることしかできないらしい。今日はテレビヒーローごっこではなくて、単純に段ボール箱で遊んでいた。1つの箱だけで1時間以上も遊べる彼らはなかなかすごい。関西人の彼は非常に子供の扱いが上手く、私は端で見ていて感心してしまった。


島唯一のお土産屋、モンパの木。

波照間島のマンホール。集落は下水完備らしい。

波照間唯一のガソリンスタンド。
どう見ても手前が未舗装なのは俺とお前だけのヒミツだ。

航空路線が廃止されないよう、
かなり焦ってる自治体の看板。

波照間小中学校。

集落。

ごはんごはん。

ごはんごはん。
宿で知り合った友達と。

夕闇。

刻々と色を変えていく。

宿に戻ったら、青空食堂で隣のテーブルにいた人も同室だったことが判明。お互い打ちとけたところで星空観測タワーに主人のバンで向かった。島は集落を出ると街灯が一切ないから、真っ暗でけっこう怖い。1人自転車で行かなくてよかったよ。星空観測タワーのメインの施設は望遠鏡なのだが、実際は綺麗な星を見ながら職員の説明を聞いたりして、宿泊客同士で交流を深めましょう、みたいな場所だ。タワーの屋上からは天の川がはっきりと見えた。やはり北回帰線ギリギリにある南国だけあって、さそり座や射手座がはっきりその形に見えるのがすごい。東京だと地平線ぎりぎりに出るせいでそもそも全体像が見えないことが多いんだよね。
波照間島は日本で唯一(?)南十字星が見える有人島なのだが、9月だと見えない。残念。まぁ、星は確かに見事だった。野辺山とどっちが綺麗だったかな?
そういえば、屋上で一人で星座早見を見ながら「あーあれがその2等星かー」とか、分かってるのか分かってないのかほざいている◎◎◎君のような(←君のまわりにもいるよね?)知ったかぶりの目立ちたがり屋さんがいた。みのる荘にいてひたすら飛ばしており、「うんちく君」と仇名をつけられているらしい。彼は広島出身で、勝手に自己紹介しては原爆の被災者の話をしているようだ。なんじゃそりゃ。しかも星座早見なんて、本当に暗いところでは何の役にも立たんしな(笑)。帰り道で彼はバスに乗り遅れそうになり、星座早見を落として大騒ぎしたんだそうな。まったく、そういう奴ってどこにもいるのよね。

宿に帰ってからは部屋の面々と雑談をして12時過ぎに寝た。11時過ぎにシャワーを浴びていたらおばさんに怒られた。すんません。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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