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目次
出発
海上
→沖縄
南部一周
首里
遺跡と海上道路
ドライブ
残波岬
波照間島
石垣島
終了

9/12 Ruin Exploring

今日の自転車迷走コース
デカくてごめん。これ以上小さくするとわけ分からんので…

朝起きて気象協会のサイトを確認してみると、台風はとりあえず去ったらしい。今日は雨の心配はなく、問題は風だけということなので、10時頃にツーリングへ出かけた。
まず向かうのは、普天間からほど近い中城(なかぐすく)城址。国道330号線を普天間交差点までかっとばして、そこから県道に入った。海の方へ行くので全体に下り坂なのだが、台風の追い風のせいでさらにすごいスピードが出てしまう。注意注意。
…と、県道まで来たはいいが、途中のT字路を逆に曲がってしまったらしい。気がついて、いったん下った道を引き返す。そして、しばらく行って…あ。途中のY字路を逆に曲がってしまったらしいっ(笑)
ここは引き返さずに地図を見て最短ルートの道を、と走り出したが、これがけっこう厳しい山道。沖縄は丘だらけ、山だらけですな。上り切ったところで十字路があった。だが、どちらが中城城址か書いてない。…どうしよう。
とりあえず直進したら、あっという間にさっき登った標高を下って高速のところへ出てしまった。ぐはっ。あかんやん。ということはさっきの頂上の十字路を左だったのか!(頼むからそういう重要なところに看板立てて下さい、自治体様(^^;;)
さて、えっちらおっちら登り返す。さすがにもうやめようかと思ったけれども。十字路までどうにか戻って左に行くと、バス停があった。こういうときのバス停は助かる。だいたい私が道に迷うときは、今どこにいるかが分からない。全体的な地理と道すじは事前に頭に入っている。…なんて偉そうに言ってもただのバカだな。まあ、とにかくバス停の路線図を見れば、道と停留所の関係と現在地が分かるから、どうにかなることが多いのだ。


峠道を行ったり来たりは疲れます。

で、実際こちらでいいらしい。まっすぐ走ってちょっと登っていくと、中城城址の看板が見えた。自転車を止めて入場料を300円払い、記帳。数人前に「富士見高校」と書いてあった。私の家から近いな。
この城(ぐすく)は復元はされておらず、石垣が残るのみの遺跡である。首里城ほど観光地化はされていない。客も比較的少ない。好感が持てる。
入口から順路の矢印にそって登っていったら何も見ないうちに出口に出た。あらー?(笑) どうも不注意なのかな。道を間違えるんだよねぇ。もと地理歴史部のはずなのに。
開きなおって出口から順路を逆に進むことにした。琉球石灰岩でできた見事な石積み。私が沖縄の城で気に入っているのはその石積みにあけてある、ドアぐらいの通路だ。この穴がなんともいえずいい構図だと思うのだ。皆さんはどうだろう。写真を見てほしい。
さて。このあたりで最も高いところに位置する城跡。その石垣に囲まれた中は芝生と多少の亜熱帯性植物が生えていた。今すぐにこの芝生に横になりたい…が、石垣の上に登れる階段があったのでまずそっちへ。何段か上がっただけでつい声をあげてしまった。沖縄本島の東海岸から西海岸まで、北から南まで全部見渡せる。そして、吹きぬけていく優しい風が体を癒してくれる。しばらく呆けたように立ちつくしていた。
石垣の上も通路になっていたのでそこを歩いて別の区画へ。ぶらぶら歩いて入口へ戻ろうとすると。そこの芝生の広場は少し海側に斜めになっていて、東海岸をダイナミックに見下ろせる場所になっていた。こんな陳腐な表現しかできない自分が情けないな。なんつーか、もう、すごいです。
そこで横になり、空を見あげ、目を閉じては柔らかい風を感じ、再び目をゆっくり開けてはコーラルブルーの海を地平線まで見渡し……あー。いつまででもこうしていたい。



城入り口

日本じゃないみたいだ。

こういう通路が好きなんです。

気分のいい高台。
邪魔なカップルが写ってたのを画像処理で消したのはヒミツだ(ぉぃ

やる気のないパノラマ画像。

何分くらいたっただろう。起きあがって頂を見ると、そこにはコンクリート造りの大きな廃墟が立っている。かつてはホテルだったのだろうか。どこかのサイトで見たことがあったのだが、この公園内にあったとは。
近づいてみると、立入を禁止するものがどこにもない。自由に入れるようになっていた(実際は入っちゃダメなのかもしれません)。ほとんど消えかけた看板や、3割ぐらい剥がれ落ちた天井が好奇心をそそる。ところどころで鉄筋にコンクリートがぶら下がったまま落ちそうになっているところがあってそこは怖いが、廃墟とはいえコンクリートの固まりだ。どうにかなるだろう。と矢も盾もたまらず中へ。客室やホール、トイレ、機器室であったと思われるような色々な部屋が並んでおり、廊下は山の稜線に沿ってどんどん上がっていく。しかし本土の建築に比べると造りは非常に適当だ。とにかくコンクリートを流し込んでいるだけ。窓はガラスがあったのかどうかも分からないし、床は斜めになっているところもざらだし。写真を見ていただければ分かると思うが、ちょっと古い学校のプールとその更衣室を巨大化させてしまったようなイメージの建造物だ。


廃墟全景

入り口。

入り口の天井。

廊下。

傾いた廊下

変な空間だ。

中はだいぶ暴走族などが入って荒らしたのか、落書きや焼けこげた跡もある。壁から離れた廊下には光が入らず、少し恐くなったが足は先へ先へと進んでいく。ふとあっけなく道路に出た。道は山の上へと続き、その先にさっき広場から見えた廃墟の最上部にあたる塔のような建造物があった。これはもう行くしかあるまい。

ヒメジョオンなどの咲きみだれる茂みをかき分け1階に入ると、もう屑鉄にすらできない車の残骸があった。どこから入れたんだろう? 私が入ってきたところからは到底入れられないような気がするんだが(笑) フロアは数十畳の広さがあり、吹きさらしである。コンクリートで適当に作ってある階段を登り、2階、3階、4階といくことができた。最上階には暴走族のと思われる「もう疲れた」という落書きがあり苦笑。海側の展望はさっきの石垣よりいいかもしれない。そもそもこの建造物は何だったんだろう。さきほどの建物はホテルだろうが…これは展望台?


楼閣1階。どこから入れたか分からない車。

ぶらぶら。こわっ。

最上階。落書きが…

楼閣から広場を見下ろす。

これと逆の立場で撮った。

展望台から下り、ホテル内は通らずに、廃墟と背の高い亜熱帯植物がぼうぼうに生えた中の道をぶらぶらと下りていくと無事、中城城の見学順路に入った。入口にたむろしていた高校生のいうことには「あれは有名な幽霊屋敷なんですよー」
中城城址は沖縄の城(ぐすく)群ということで世界遺産に登録されているが、この廃墟群も数百年後には遺跡になるんだろうか。なってもいいんじゃないかな。


廃墟出口

帰りの道沿いに続く廃墟。

族も願う平和

順路に戻ってもなお異様な存在感。

海中道路

さて。そろそろ次の目的地に行くか。次は、与勝半島から3kmぐらいずっと遠浅の海を抜けていく「海中道路」の先にある平安座島と、さらにそこから1.4kmの橋で結ばれた浜比嘉島である。ここは地図で橋がつながっていて「海中道路」と書いてあるのを見て是非行きたいと思っていたのだ。
中城から海へと一気に駆け下り、海に沿った4車線+2mぐらいの路側帯+1車線分の歩道が整備された県道を突っ走る。路側帯はよく舗装されている上に風速8mぐらいの追い風だ。その気になれば60km/hだって出せる(出したかも)。
港湾をあっという間に通りすぎ、与勝半島のサトウキビ畑の中の道路に入った。海中道路は(地図参照)半島の向こう側にあるため、小さな山を越えないといけない。えっちらおっちら登り、そして下り、異様に広い海中道路の入口へ。すぐに下るのが分かってて登るのってほんとに空しいよな。すぐ登るのが分かってて下るのも、あんまり気持ちよくないよな。


与勝半島越え

さて。いよいよ海中道路だ…と? おお??!!
そこには誰ひとりいない、遠浅のトロピカルビーチが道の両側に広がっていたのだ。
もとい、ひとり犬の散歩をしてる人がいました(^^;
ともかく、数km近く延びた真っ白な広い砂浜と、200mぐらい沖のほうからはじまっているいかにも熱帯らしい色の透明な海が、観光地にもなにもなっていないまま大空の下に広がっていたのである。いやー、ここで泳がなかったら人間じゃない!!


すげぇ。(2560x1920)

風紋


防波堤のように伸びて橋に繋がるのが海中道路。

海中道路

誰も見ていないので気がねなく水着に着替え、まっすぐ海へ。砂浜から少し上は貝殻と珊瑚がばらばらしていて歩きにくかったが、すぐに誰の足跡もなく、風紋がずっと続く砂浜に着いた。浅いところは砂の白、徐々に徐々に水色から深い青へ。どうして本州の海とは色が違うんだろう。
ひととおり泳いでみたが、裸眼だとあんまり水中はよく見えないものなんだろうか。まぁ、いいや。きれいだったし。
いったん自転車に戻り、デジカメを持って渚の写真を撮った。さぁ、予定は狂ったが海中道路だ。この道路、2つの橋と護岸に挟まれた直線道路がずっと平安座島まで続くのだが、道が完成するまでに30日程度しかかからなかったそうな。すごい突貫工事だ。
追い風のせいで、かなりのスピードで走り抜けた。あまりに速かったので逆に帰りの向かい風でどうなってしまうか恐ろしい。ガードレールはぼろぼろに錆びている。年がら年中海風だもんな。


海中道路(平安座島側)。
奥に見える橋が浜比嘉島へ延びる。

浜比嘉島へ渡る橋。

平安座島は沖縄の石油基地である。島中に巨大な石油タンクが並び、衛星写真を見てもタンクしか見えない。米軍の軍事拠点である沖縄の生命線なのだろう。そういう意味もあって海中道路も突貫工事で作ったのだろう。何のときかな? ベトナム戦争? ちょうどオイルショックと近い時期でもあるしな。
渡り終えて集落(といえるのか?)を過ぎ、次の交差点を右に行って橋を渡ると目的地の浜比嘉島(はまひがとう)。進行方向が変わったせいで風をまともに受け、ギアを落とさないと登れない。

浜比嘉島には聖地がある。石灰岩質の島ゆえ鍾乳洞があるのだが、それと琉球の国造り伝説が結びついたりしたものなのかな? いくつかあるらしいが、そのうちの1つが今回行くシルミチュー。鍾乳洞の奥にある陰石を今でも信仰し、祀っているのだ。
島はそれほどリゾート化もされていないようすで、海沿いはのどかな漁港の風景、内陸はいかにも南西諸島の住宅という雰囲気の家があり、さらに内陸へ行ったら背の高い植物のおいしげる荒れ地になってしまった。家の角に貼ってある「石敢當」、ここのエリアは「石巌當」になっているところが多い。
街頭が1つもない荒れ地の中の道路を走ること数分、漁港の向こうに聖地シルミチューがあった。自転車を止めて森の奥へ。森の中の鳥居を抜け登っていったら、地元の人が輪になって座り、一心に拝んでいた。こちらの人は夕方になると集まって拝んだり歌ったりするという話は聞いたことがあるが、そういう民俗ってのは残ってるのねぇ。


アマミチュー(創世神の一人)の墓といわれる。

島の中の道。簡素な道しるべがある。

島の中は荒れ地と畑。

シルミチュー。霊場入り口

参道。

拝む地元の人々。ちょっと入っていけない。

一団はひとしきり拝んだあと、ふっとあたりに漂う緊張感を解き、談笑しはじめた。私は入っていけずに階段の途中から見守っていたのだが、人々のうち数人と目があった。礼拝が終わったとはいえ、なんだかとても観光客が興味本位で入っていける空間ではない感じがして、そのまま階段を戻ってきた。
帰りは基本的に向かい風。海中道路がきついのなんの。途中のロードパークでジュースを買って休んだ。そのあと与勝半島を1時間ほど引き返していくと、途中の墓石販売店に「かき氷100円」という表示をみつけた。なぜ墓石?という感じだが、あまり売れなくて暇なんだろうな。どんなかき氷が出てくるものかとコーラ味を注文してみた。妙に用意に時間がかかったあと、出てきた氷は、紙コップの上にさらに紙コップの形にかたまった円錐台型の氷が乗っているというものだった(写真)。固いので、上から歯をたててガリガリとかじる。変な食べ方だなぁ。半分かじったところで、缶詰のフルーツが入っていた。桃とみかんなど。100円でこの量+フルーツとはなんとお得な。お薦めである。県道16号線の川田交差点から半島側へ2kmほどいった右側の墓石販売店ね(笑)。


ちなみに沖縄の墓は本土と全然違って、
家型をしていてでかい。

これで100円、かき氷。

さて、帰りは一気に国道330号へ出ようと県道85号で内陸へ。だがなんともこれがきっつい坂で、1km近く延々と直線で登ったあげく、こんどはコザへ向かって登ったり下りたり。そういえば私、朝からおにぎり1個とさっきのかき氷しか食べてない。アップダウンが厳しすぎ。沖縄に高い山は少ないけれど、丘だらけだ。しかもコザの交差点がどこか分かんなくなるし。迷って登ったり下りたりしたあげく、道を歩いていたおじさんに尋ねたら「この先4つ目の信号をだよ」
…おじさん、左は海なんだけどな(--;;。結局よく分からなかったので丘の上から沖縄自動車道を見つけ、そちらへと県道で下りていった。案の定国道330号のライカム交差点にぶつかって一安心。あとは330号を車の排気ガスの中すっ飛ばしていくだけ。アップダウンはけっこうあるが、もう到着だと思えばそれほど辛くも…いやちょっと辛かった。
夜自爆氏と、ブルーシールのアイスを食ったあと(量が31の倍くらいと多くておいしい)ステーキでも食おうと北谷へ出たが、金曜夜の北谷は治安が悪すぎる。変な外人と、東京では化石としか思えないような暴走バイクに乗った不良がたまってるばっかだし。しかもヤンキー車に追突しちゃってさぁ大変。相手のエアロパーツにひびを入れてしまったようだ。警察だ保険だという話になってごたごたしているうちに、12時近くなってしまった。もう居酒屋しかやってなかったので居酒屋で夕食を食べたら、2人で7000円もかかってしまった。なんてこった。

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SHIMURA Harutoki <tt67136(あっと)mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>

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